“時代”を映す人気ユニホームの数々 「BECKHAM」が読めない世代も…
根強い人気を誇るユーべのピンクアウェー
固定背番号制が導入された95-96シーズンに10番を託されたデル・ピエロは11-12シーズンまでユベントスでプレーした 【写真:Maurizio Borsari/アフロ】
例えばイタリアは、セリエAで優勝すると「スクデット」が、コッパ・イタリアで優勝すると「コッカルダ」と呼ばれるワッペンが、ユニホームに付くんです。94-95シーズンはひとつも付いていませんが、このシーズンに2冠を達成したため、翌95-96シーズンは「スクデット」と「コッカルダ」の両方が付いているんです。
また、イタリアでは95-96シーズンから固定背番号制となり、ユニホームの背中に選手のネームが入るようになったんです。だから、10番のユニホームにデル・ピエロのネームが入るのは、このシーズンから。こうしたことも理由のひとつだと思います。逆に言えば、このシーズンにミランに移籍したバッジョは、ユーベ時代、背中にネームは入っていなかったんです。それでも90年代前半、胸スポンサーが「ダノン」の時代の10番のユニホームに需要があるのは、バッジョ人気によるものでしょう。
ジダンの21番のユニホームも、求める方が多いです。また、投票では9位に99-00シーズンのモデルがランクインしましたが、お店では同じデザインでも、98-99シーズンのほうが需要があるんです。というのも、99-00シーズンのモデルは、背番号とネームが従来の白なんですが、98-99シーズンは、赤いんです。
創設100周年記念の97-98シーズンのアウェーモデルも根強い人気を誇ります。このユニホームは、白と黒のストライプではなく、創設時のカラーであるピンクなんです。現地でも当時、評判が良かったんでしょう。このピンクのモデルは、11-12シーズンのアウェー、15-16シーズンのアウェーでもリバイバルされました。
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蛍光ドルトムントがスケーターに人気!?
ドルトムントがリーグ連覇を果たした95-96シーズン。メラー(左)らがまとう「ナイキ」の蛍光イエローのユニホームは「サッカーらしくない」と不評だった 【Getty Images】
CL決勝でマンチェスター・ユナイテッドに逆転負けを喫した00-01シーズンのモデルも探しにくる方が多いです。ただし、この「カンプ・ノウの悲劇」ではグレーとエンジのCLモデルを着用していたので、レギュラーシーズンのモデルとはデザインが異なります。
オールドファンの方には、マテウス、クリンスマンのユニホームの人気があります。特にクリンスマンがトッテナムからドイツに復帰し、バイエルンに加入した95-96シーズンのモデルは、赤と青のストライプが鮮やかで人気が高い。このデザインは10-11シーズンにリバイバルされました。最近だと、リベリー、ロッベン、シャビ・アロンソのユニホームの需要があります。
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オールドファンに人気なのは、CL初制覇を果たした96-97シーズンのモデル。当時、ドルトムントとパリ・サンジェルマンはサッカーユニホームに参戦したナイキといち早くサプライヤー契約を結びました。
当時、ナイキのデザインはサッカーのユニホームらしくないと不人気だったんです。今見ても、蛍光のイエローを使った斬新なデザインなんですが、実は今、サッカーファンより若いスケーターに人気なんです。そのファッション性が注目され、ドルトムントのユニホームを着てスケートを滑る人がいるんです。
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取材に協力してくれた「Vintage Sports FOOTBALL」吉祥寺店。全国に5店舗を構え、マニア垂涎のレアユニホームの数々がそろっている 【YOJI-GEN】
今年で15年目を迎えるサッカーユニホーム専門店で、吉祥寺、渋谷、町田、心斎橋、四条河原町と、全国に5店舗を構えている。毎週貴重なユニホームを入荷し、各店舗にデッドストック商品を1200点以上そろえている。また、正規品のユニホームや選手用のユニホームなどの高価買取も行っている。