日本人だからこそ富士山の頂に立ちたい! パワー溢れるSE美ジョガー

【みんアス】

真剣にランニングに取り組む美ジョガーにフォーカスを当てた『ビューティーランナーズ』
街を走る女性ランナーのインタビューから彼女たちのランニングを通じた人生観に触れます。
(編集部注※2018年5月28日に公開された記事です。)
 4月の半ば、私は皇居にいた。

 一眼レフカメラを首から下げ、ひたすらビューティーさんを探しうろうろしていると、楽しそうに歩いているお二人の女性を発見!

 以前関連会社で働いていた繋がりで仲良くなったというお二人。

 前回ご紹介した青山理英さんを一年半振りに皇居へ引き戻した彼女の魅力を存分に紹介したい。

走り始めたのは……

 今回ご紹介するのは仲井陽子さん
 五十代のSEだ。

 職業柄拘束時間も長く帰りも遅いが、帰宅後や平日の振替休日に時間を見つけては走る。

 ランニング歴は二年。

 きっかけはなんだったのか。

「2015年に『東京マラソン』に当選したんです。元々心臓と肺が悪く“走れない”と言われていたのでボランティアとして参加してたんですが、ランナー達をいいなぁ〜と思って見ていたらボランティア仲間から“一回くらいエントリーしてみたら?”と勧められて。そしたら当たっちゃった」

 走れない、と言われている状況からのフルマラソン。それまでランニングなどしたことがなかった。

 突然の42.195km。練習は本当に大変だった。

 三ヶ月という短い期間で、大会前もマックス20kmしか走れなかった。

「片道走り→片道歩き、片道走り→片道歩きという状態で。5時間45分かかりました。葛藤しましたよ」とはいえ完走。

 それまで5km走るのも困難だった仲井さん。達成感に包まれ、すごく嬉しかった。

【みんアス】

『東京マラソン』で完走できたことにより、もっといろいろ行ってみようかなと大会に出始めた。

 直近は先月(取材時は4月)。『青梅マラソン』の10km。『名古屋ウィメンズマラソン』も既に三回完走している。

 ランニング以前からの趣味はテニス。ランニング同様週に三回ほど嗜む。

 更に小学校の頃から競技スキーに勤しみ、「モジモジくんみたいな格好」でジャイアントスラロームの大会に出ていたとも。どこまでもパワフルだ。

 いつもは6〜7分/kmで走る仲井さん。今月は仙台ハーフを走る。

「二次募集で当たったんですよ! せっかくだから走ってきます」

 穏やかな笑みの内側から、ものすごいパワーとエネルギーを感じる。

仕事から見えた……

 仕事のお話を伺うと、女性ならではの気遣いも垣間見えた。

 入社からずっと同部署で働いているため、システムがわからない人のためにどうすればとっつきやすくわかりやすくトラブルなく操作をしてもらえるかを常に考える。

 「説明しても専門用語でよくわからないと言われることが多くて。だからなるべく専門用語は使わず“これはこういうことで、こういう意味です”と、もう一回噛み砕いて伝えるようにしています」

 青山さんや取材班も「助かる!」「そんな勉強会あったら参加したい!」と一斉に盛り上がる。

 そうなのだ。

 専門用語を使われるとてんで分からない。

 分からないまま「……では、それで!」なんて言ってしまうことも少なくない私としてはその気遣いは切に求めるところである。

「作る側ばかりみてきたので、逆にこれを自分がもらったらどうだろうって考えて作るようになりました。それで分かりやすかった、って言われると良かったー! って」

 常にユーザー目線で考えることの出来る仲井さんは、きっと職場のオアシスのような存在なのだと思う。

マラソンとは

 そんな仲井さんにとってランニングは罰ゲームだと言う。

「ダイエットとかって、我慢するじゃないですか。あれができなくて。食べたいときは食べる。飲みたいときは飲む。走る以上にカロリーをどんどん摂っちゃうので“食べちゃった。じゃあ走るか“みたいな戒めですね」

 仕事で行き詰まった時に無になれるのもランニングの魅力。もしくは走っている時にそれを巡らすことで頭の整理ができるという。

「あと悔しい時! 仕事で、うまくいかなかったチクショー! みたいな時にランニングはいいですね。テニスだとホームランになっちゃうから」

 そんな彼女、目下の目標は『富士登山競走』。富士山を登る山岳マラソンだ。

「多分すごい難しいんです。一度富士山を登山した時もしんどかったのにあれをマラソンするのかっていう。でも将来的に一回はそういうのもやって見たいなぁって」

 と言うのも、唯一フルマラソンで完走できなかったのが『富士山マラソン』

 こちらは富士山の麓の河口湖と西湖を巡り42.195km走るマラソンだ。

 標高が高く、持参した携帯酸素も使い切ったが38km地点でタイムアウトになってしまい、悔しい思いをした。

「日本人だからこそ富士山の頂上でやったぞー! ってやりたいんです」

 難しい目標を恐れず掲げ、それを心から楽しそうに話す仲井さん。

 内面から生命力が溢れだす彼女が富士山の頂に立つ「いつか」 はそう遠くないのではないか、と想像し私の心は踊るのであった。



※本記事は「みんアス〜みんながアスリート」で公開された『ビューティーランナーズ Vol.16』を再掲載したものです。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

「みんアス -みんながアスリート-」は、女性がランニングをもっと楽しむためのサイトです。 日常にほんの少しだけ変化や進化を求め、小さな一歩を踏み出そうとスポーツを始めたすべての女性が美しく輝くために。 アスリートたちの一流メソッドや本物に触れて、さらに美しくなるために。 『みんアス -みんながアスリート-』は、そんなコンテンツを詰め込んだサイトです。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント