モズカッチャンに誤算も師は「キッパリ」 メンバー揃い混戦エリザベス女王杯座談会

競馬専門紙「優馬」

3冠女王は不在でも怖い3歳勢 ノームコア&カンタービレ

前走紫苑Sの内容が良かった3歳馬ノームコア(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「対して関東本紙の武井が◎に指名したのはノームコア。3歳馬のトップレベルがここでも古馬相手に互角に戦えるということは、近年のデータも示しているからな」

武井「一昨年に重賞に昇格してから2年連続で勝ち馬が秋華賞も制した紫苑Sですが、今年のノームコアも後続に3馬身差の圧勝でしたから、高い評価を与えていいでしょう。そして時計もコースレコードに余力十分でコンマ2秒差というのは、開幕週の馬場を差し引いても破格と言っていいと思います。体質の弱さやカイ食いの悪さなど弱味を抱えてきた馬ですが、この中間は初めて週2本ペースでしっかりと時計を出せているように更なる成長も見込んでいいはずですし、古馬相手でも勝負になると見ました」

田崎ノームコアが紫苑Sで子供扱いしたマウレアを物差しにすれば、世代ではアーモンドアイに迫る存在だと言えますし、何より3歳馬にとっては2キロの斤量差を生かせるレースですからね。古馬の壁もそう高くはないはずですよ」

西田「クラシック出走が叶わなかった春の時点では、トモに甘さがあって決め手に欠ける印象もあった馬ですが、前走で見せたキレ味は本物です。中山よりも京都外回りの方が、よりレースもしやすいと思いますね」

佐藤直「さっき那谷も言っていたようにリピーターの活躍が目立つことを考えても、距離適性を重視しなければならないんだが、2200mという距離のレースが少ないこともあって、その見極めは難しいんだよ。ならば血統からその適性をアプローチすると浮上するのがノームコア。祖母の全姉フサイチエアデールがこのレースを2年連続で2着している点は、見逃せないぞ」

デスク「ただ、この馬も前走後にガタッときて秋華賞を見送ったわけだし、調整面での不安もあるよな」

小島「秋華賞の回避は別に何かがあったわけではなく、陣営に言わせると“紫苑Sがあの末脚と時計での勝利だったから、目に見えない疲れも考慮してココに目標を定めた”というわけです。もちろん“パスして大正解”という文句なしのデキで出走できますし、金曜日に出発して現地で一泊する形なら、京都への長距離輸送も心配はないでしょう。そして何より、鞍上は神様仏様ルメール様ですからね。やれると思いますよ」

デスク「やっぱり未経験の2200mが、なんて言うと直ちゃんに怒られそうなのでヤメとくが、もう一頭の3歳馬カンタービレは、ここまで唯一の大敗がオークスだという点でも距離に不安があるんじゃないのか」

持木「オークスでのカンタービレは、積極的に前へ行って失速した形でしたが、前走のような差す競馬なら距離はこなせると思います。強かった未勝利勝ちの舞台である京都外回りに替わるのも歓迎ですから、古馬相手でも遜色はないでしょう」

吉田「僕はここにアーモンドアイがいたら楽勝できると思ってますが、カンタービレは秋華賞で2馬身半の差を付けられたとはいえ、残り5ハロンが全て11秒台のラップをあそこまで追い上げた脚は相当なレベルなんやないかと思います。同じ良馬場で、鞍上が折り合いを付けて乗ってくれて、そしてアーモンドアイ不在の相手なら、キレイに差し切ってくれるはずです」

目黒「その前走は、逃げた馬が2着に残る流れで、個人的にはいつも通り好位からの競馬をしていたらどうだったのか…という印象もあるんですが、辻野助手は“瞬発力勝負でも対応できることはわかりましたが、やはりアーモンドアイとは勝負どころの反応や仕掛けてギアが切り替わる瞬間が全然違いました”と完敗を認めてましたね。距離については“マイル前後がベスト。内回りの2000mがギリギリという印象です。前走のレースを踏まえて、あとはジョッキーに任せるだけですが、うまく折り合いをつけてくれれば”とのことで、あくまで距離は鍵となるでしょうね」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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