植田直通が楽しむ“バチバチ”とした守備 持ち味の「鹿島のやり方」でチームに貢献
「やりたいようにやれる」と充実の日々
同じくベルギーで躍動するSTVVの冨安健洋(左)と談笑する植田(右)。強い気持ちを前面に出し、結果を求め続ける 【写真は共同】
「前節のスタンダール(・リエージュ)戦(0−0)でスタメンとして出ましたけれど、自分のところにボールが来るというシチュエーションでもなく、自分の力を発揮できた試合ではなかった。今日も、もっともっとバチバチやり合えるような相手とやりたかった。まだ試合の中で僕のプレーも見せてないので、監督もチームメートも分かってない部分が多いと思う。練習からもそうですが、そういうところを試合でも見せたい」
あれから2カ月半が経った。植田は今、こう言うのだ。
「やっと、自分がやりたいように、やれるようになってきました。チームのやり方も少し変わったんです。(Jリーグ時代の)鹿島(アントラーズ)でやっていたようなやり方に変わりました。それが自分に一番あっていると思いますので、いい方向にいってるんじゃないかと思います」
「鹿島のやり方」とは何だろうか?
「今までは『CBは外に出るな』と言われてましたが、そこを突かれる場面が多かったので、『CBは外まで出ていってマークを付いてもいい』となりました。鹿島時代から、僕はマンツーマンでバチバチやっていた。ボールを奪い切って攻撃につなげるという部分が、僕の持ち味だと思う。そういう守備を『やっていい』と言われたので、それが今、楽しくって」
今、冨安健洋(STVV)の成長が著しく、日本、ベルギー両国で注目を集めている。
「みんなに、植田のことが忘れられているかもしれない(笑)。試合に出れば、僕は負けない自信があります。そこまでの過程が大事だと思いますので、僕はここでしっかり結果を出し続けて、また(代表に)呼ばれれば『自分がレギュラーだ』という気持ちを見せていきたいです」
言葉には強い気持ちが宿っていた。しかし、その表情は実にリラックスしており自然体。植田がベルギーで、心身共に充実した日々を送っていることが伝わってきた。