カープの3連覇達成のXデーを探る 悲願の本拠地胴上げが有力か!?

ベースボール・タイムズ

本拠地胴上げは73パーセント?

マジック再点灯を見守るカープファン。今季は本拠地での胴上げが実現するか? 【写真は共同】

 その上で、今年のカレンダーと広島の試合スケジュールと“にらめっこ”してみよう。

 8月は残り10試合。本拠地6連戦を戦った後は、東京ドーム、神宮の東京遠征を経て、9月4日からは阪神と本拠地3連戦を迎える。その後、一度ナゴヤドームでの中日3連戦を挟むが、9月11日には再び広島に戻って来る。そして9月20日からは怒涛の本拠地9連戦が待ち受ける。

 その9月は計24試合が組まれているが、そのうちマツダスタジアムで16試合を実施する。10月の3試合も本拠地開催となっており、9月11日以降に限って見ると、シーズン残り19試合中16試合がマツダ開催という空前の“本拠地祭り”。

 単純に現在の最短優勝日(9月7日)以降を考えても、本拠地胴上げの可能性は22分の16の「73パーセント」という高確率を誇る。怖いのは、広島が試合のない9月14日、17日、19日の3日間。14日、19日の両日は現段階の優勝マジック対象チーム(ヤクルト、阪神)が直接対決する。その結果、「休養日胴上げ」となる可能性もあるのだ。だが、その“魔の3日”さえクリアできれば、「本拠地胴上げ」は決まったも同然だろう。

地元ファンのため、被災地復興のために

 カープの戦いぶりは、多くの人々に勇気と活力を与えている。今年7月の西日本豪雨災害で甚大な被害を受けた被災者たちの支えにもなっている。球団としても7月9日からの本拠地3連戦を「多数の犠牲者が出ている」と開催中止を決断し、その後も募金活動などを行って支援を続ける。7月20日の被災後本拠地初試合では、下水流昂の延長10回逆転サヨナラ2ランで勝利。翌21日、22日も巨人を下して3連勝し、「僕たちは野球しかできない」(田中広輔)、「助け合い、支え合い、カープも広島も頑張っていきましょう」(會澤翼)、「チーム一丸となって、広島一丸となって戦っていきたい」(丸佳浩)。一致団結した中、被災後の本拠地・マツダスタジアムでの試合は、8勝2敗1分けと圧倒的な強さを見せている。

 NPBにおける過去の最短優勝は1990年巨人の9月8日。2016年の広島は、それに次ぐ史上2番目の速さとなる9月10日に優勝を決めた。現状、そこを上回るのは難しい。目の前の1試合に集中すべきだが、何も慌てる必要はない。3度目の正直でカープファンが待ち望む「本拠地胴上げ」に、少々の帳尻合わせをしても許されるだろう。

 提案は、前述した“魔の3日”をやり過ごし、9月20日からの本拠地9連戦を迎えること。3連覇へのカウントダウンをじっくりと味わいながら、真っ赤に染まる広島の街を、選手とともに感じ、チームとともに見届けたい。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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