日本女子が中国に取るべき対策は? いよいよ決勝 世界卓球47年ぶり団体金へ

月刊『卓球王国』

鍵となるのは速攻の意識

第3試合に登場した平野美宇。1ゲームを落としたものの、冷静な戦いぶりが光った 【写真は共同】

 決勝で中国に挑む日本は、準々決勝、準決勝同様に石川、平野、伊藤の起用となるだろう。確実に成長を見せ、今大会も勝ち星を量産している3選手だが、昨年のアジア選手権では平野が中国の丁寧、陳夢、朱雨玲を3連破して以降の1年間で見ると、今回の中国代表5選手からシングルスで勝利を挙げた数はゼロというのが実情だ。
 今大会の指揮を執る李隼も中国のポータルサイト『捜狐体育』の取材に対して「日本女子チームの何人かの選手は、中国選手に対して工夫と研究を重ね、試合で対戦するたびに新たな対策を立ててプレーし、あるいはテストしてくる。日本選手のテクニックとボールの質は、明らかに以前よりも向上しているし、中国からより多くのコーチを招き、われわれの戦術・技術についても理解を深めている」と語っており、日本女子は常々マークしている存在だ。

 日本としては、香港の蘇慧音が見せたように、積極的にサービス・レシーブで仕掛けて先手を奪い、プレーでも精神的にも中国にプレッシャーをかけていきたい。リスクを負いながらでも、速攻の意識で立ち向かわなければ、中国の壁は破れない。過去2大会連続で日本は決勝で中国にストレート負けを喫しているが、何とか突破口を見いだしたいところだ。
 日本女子47年ぶりの団体優勝がかかった女子決勝は日本時間5日の21時30分よりスタートする。

男子メダルならずも収穫あり「張本を水谷との2枚看板として使えた」

男子準々決勝 韓国戦の第1試合で敗れ、肩を落としてベンチに戻る張本智和。奥は水谷隼=ハルムスタード 【共同】

 快進撃を続ける日本女子と明暗を分けたのは日本男子。メダルを懸けた準々決勝で韓国に1−3で敗れ、6大会ぶりにメダルを逃した。世界選手権では2008年大会以来の対戦となった日本と韓国。戦力的には互角の両国だったが、韓国の攻撃力の前に最後は押し切られて大会を去った。

 注目を集めた中学3年生の張本智和(JOCエリートアカデミー)は個人成績5勝2敗。トップランカー相手にポテンシャルを見せた試合もあったが、敗れた2試合でいずれも日本は敗戦と初の団体戦は苦い経験となった。それでも全試合に2点起用(1試合の全5戦中、2戦にエントリーする事)され続けた経験は大きいはず。日本男子の倉嶋洋介監督が「今大会の収穫は張本を水谷との2枚看板として使えたこと。今日は負けてしまったけど彼らしい良いプレーはできたので今後に期待したい」と語ったように、今大会の2敗を糧にさらにスケールアップしてほしい。世界トップの一人とはいえ、14歳。その未来はまだまだ大きく開かれている。

(文:浅野敬純/卓球王国)

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