アドレスの再現性がパットの秘訣 プロのスイング、ここを真似すべし!【宮里藍編】
【Getty Images】
宮里藍の強さの根源
10年にはツアー5勝を挙げ賞金女王に輝き、世界ランクも1位に上り詰めた。欧米選手と並ぶと頭一つ小さく、飛距離で大きく劣る宮里は、ショートゲームに生命線を見出した。ショットと同じように、どんな状況でもゆったりとした一定のリズムでピンに寄せていく。高い球でスピンを効かせるような力強さはないが、絶妙な距離感と方向性に磨きをかけたことで、世界のトップ選手になり得たのだ。
プレッシャーがかかっても崩れないパッティング
どんなにプレッシャーのかかる状況でも良いパッティングが打てるのは、アドレスの再現性にある 【Getty Images】
宮里はメンタルトレーナーのピア・二―ルソンから指導を受ける中で「スイング(ストローク)前の準備の大切さ」を学んだことからルーティンをとても大切にしており、それがアドレスの高い再現性につながっている。
パッティングはショットと違い、全身の中でも動く箇所が限られる。そのため一度ストロークが始まってしまうと、動作の中で修正をすることができない。ショットのようにインパクト直前で片手を離したり、体の動きを止めてクラブやフェースの向きを変えることは不可能だ。だからこそ、パッティングではアドレスの重要性が大きなウェイトを占める。アドレスにミスがあり、そのままストロークを始めてしまうと、途中で気が付いても修正できないのだ。
まずは正しい手の位置をチェック
手の位置が肩の真下よりも内側(体側)にずれてしまった場合、右足が邪魔になりテークバックをインサイドに引きづらくなる。そのためアウトサイドにテークバックを取り、フォローでもアウトサイドに手が流れてしまう。そうなると手の運動量が大きくなってパンチが入ったりゆるんでしまうミスにつながり、タッチが安定しない。
逆にアドレスで手の位置を肩の真下より外側に構えてしまった場合、クラブの軌道がフラットになりすぎ、フェースの開閉が大きくなる。インパクトで構えた通りフェース面がスクエアに戻らず、方向性に狂いが生じやすくなってしまう。
手の位置の再現性を高めるためには、セットアップの方法を工夫してみるとよい。まず直立して指を伸ばした状態で、太ももに手を置く。次に腰を折り前傾確度をつける。この時、中指の先が、膝がしらの10センチ程上にくる位置で止めると適切な前傾角度になる。この方法で前傾角度が作れたら、腕の力を抜いて体の前で合わせる。これが適切な手の位置だ。
今使っているパターの長さによっては、違和感を感じる人もいるかもしれないが、それはパターの長さが適正でないという事だ。パターに自分を合わせるのではなく、自分に合ったものを使わなくては、思った通りにパターをコントロールすることはできない。
宮里は慣性モーメント(一定方向に動こうとする力の大きさ)の大きいパターを好んで使った。アドレスで万全の準備ができているため、ストローク中に一定の方向に動きやすいものを選んだのだ。
アマチュアはまず正しい手の位置を知り、今使っているパターが合っているか確認をしてみるとよいだろう。
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