高木三兄弟はサッカー観がかみ合わない!? 親子4人での初取材、それぞれの本音は?

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「昔からかみ合わない」3人のサッカー観

東京Vの10番を背負う次男の善朗。兄弟でサッカーの話をすることはないという 【写真:アフロスポーツ】

――兄弟でサッカーの話はしますか?

善朗 しないです。かみ合わないので。

 昔からかみ合わない! チームで兄弟だから気が合うだろうと思われがちだけれど、善朗は空いているスペースを見つけたいタイプ。俊幸は自分の足元でしかもらわないタイプだから。善朗はずっとボールを持って、兄貴がスペースに走り出してくれるのを待っているんだけれど、(兄が)走って来ない。

全員(笑)。

 「何で善朗は兄貴に出さないの?」と聞いたら、「兄貴は足元しか取ってくれない」って。結局、他のチームメートにパスを出してしまう。スペースがなくて困った時にしか、兄貴に出さない。

――全然プレースタイルが違うんですね。

 全然違う。考え方も違う。この前の浦和の試合でもあったけれど、「あそこはスペースがいっぱいあるから、あそこに走り込んだらパスを出してくれるのに」と思う場面があったんだけれど、それでも俊幸は足元に来るのを待つ。

大輔「あまり試合を見に来てほしくなかった」

「実はあまり父に試合を見に来てほしくなかった」と大輔(右) 【CoCoKARAnext】

――話は変わりますが、自宅に「父親部屋」があると聞きました。

大輔 そうですよ、ボスの部屋みたいな。家の一番奥にあって、部屋に入ると、社長のいすみたいなのに座っているんですよ(笑)。

善朗 だいたい、その部屋に入って怒られる。

大輔 試合を見に来た日は父が先に帰っているので、家に帰った時の表情を見て「今日は怒られるな」とか、いろいろ察していました。どのテンションで「ただいま」と言おうかなと(笑)。だから試合の時に、よく父を見ていましたね。たぶん監督より見ていた(笑)。

 知ってるよ。キョロキョロとこっちを見ていた(笑)。

大輔 実はあまり試合を見に来てほしくなかったです(笑)。やっぱり野球とサッカーは違うので、当時はプレーのことを言われても、イラっとしかしなかったので。言われていることが正しいのは分かっていても、どうしても素直になり切れなかったですね。だから「今日来る?」と聞いていました。でもその分、毎試合緊張感を持ってプレーできていましたね。怒られたくなかったので(笑)。

善朗 そうなんだ、俺は全くない。「あ、来ていたんだ」くらい。

俊幸 僕も(父が試合に)来るかどうかは気にしていましたね。当日まで来るか来ないか分からなくて、試合中に来た時には一気に緊張感が……(笑)。

大輔 分かる!(笑)

 そうか……。そんなに嫌がられていたんだ。

大輔 今は全くそんなことはないです!

――子育てをしている方々にアドバイスはありますか?

 アドバイスというか、ひとつ失敗したなと思うことは、子供たちに嫌なことをあまりさせてこなかったこと。

――例えば勉強とか?

 そう。嫌なことをすることで苦しむことを経験させておけばよかったな、とは思う。でも嫌なことに時間を割いていたら、(サッカーに時間が割けず)もしかしたらプロにはなれていなかったかもしれない。正直、正解は分からないけれど。

 でも、嫌なことから手助けをして横道に逃がしてしまったということには悔いが残っています。サッカーでもプレーを見ていると、この3人には多少(手を)抜く癖がある(笑)。もちろん抜くところは抜かないと、1試合持たないんだけどね。

(文中敬称略)

高木豊(たかぎ・ゆたか)

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1980年ドラフト3位で横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)に入団。現役時代は”スーパーカートリオ”の愛称で親しまれた。引退後、アテネ五輪で代表チームの守備走塁コーチを務めた。現在は野球解説者として各メディアや講演等で活躍中。息子3人全員をJリーガーに育てたことでも有名。

高木俊幸(たかぎ・としゆき)

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1991年5月25日生まれ。長男。年長からあざみ野F.C.に所属。小学校入学時に一度退団後、東京ヴェルディのジュニアユースに加入。2010年にプロ契約を果たす。11年に清水エスパルスに移籍し、15年から現在までは浦和レッズに所属している。一児の父。

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高木善朗(たかぎ・よしあき)

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1992年12月9日生まれ。次男。2005年に東京Vジュニアユースに加入。09年のプロ昇格後は11年まで東京Vに所属。11年6月から13年まではオランダのFCユトレヒトでプレー。その後、13年12月に兄の所属する清水へ。15年に古巣の東京Vへ移籍、4年ぶりの復帰となった。二児の父。

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高木大輔(たかぎ・だいすけ)

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1995年10月14日生まれ。三男。あざみ野F.C.でサッカーをはじめ、東京Vジュニアに入団。中学3年時の天皇杯ではトップチームのベンチ入りを果たす。11年にはU−17ワールドカップに出場。13年にトップチームに昇格してプロ契約を結んだ。17年12月、レノファ山口への1年間のレンタル移籍が発表された。

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表紙&巻頭インタビューは、ボクシング・井上尚弥。史上最強に強すぎる男の目標設定方法、「怪物・井上尚弥」の誕生のキッカケにもなった敗戦など。高木親子座談会「高木家の人材育成論」、ソフトバンク・松田宣浩「熱男流仕事が上手く行くための最低3条件」、自律神経研究第一人者「休まなくても絶好調」、好評コーナー「教えて、ライザップさん!」等、インタビュー・コラム満載。その他、「特集:学生時代に比べて太ってしまったアナタへ」、「特集:歩くの5W1H」等。

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著者プロフィール

アスリートと一流仕事人に学ぶココロとカラダを整えるマガジン。2017年6月、雑誌・WEB版共に創刊。日々快適に、各々が目指す結果に向けてサポートするマガジンとして、アスリートのみならず、多くの人の心身のコンディショニングの役に立つ媒体を目指している。「こうしたら痩せますよ」「こうしたら健康になりますよ」というような時代とともに変わる健康や医学の理論は紹介せず、アスリートや各業界で成功している人の事例、メソッド、オピニオン、ライフスタイル等を紹介していくスタンスを貫く

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