ア共和国杯は3・4歳馬、人気上位馬が有利 データからも狙えるスワーヴリチャード

JRA-VANデータラボ

前走1000万下・1600万下出走馬の各種データ

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6〜9の項では、前走クラス別に「前走着順」「斤量」「前走からの斤量増減」についてのデータを順に見ていく。表6は「前走1000万下および前走1600万下出走馬」のもの。前走着順は1着か2着が絶対条件で、これを満たせば好走率はかなり高い。特に、前走1600万下で2着というのは要注意のローテーションだ。前走1000万下から好走した3頭はすべて1着だった。ハンデは51キロ以下だと3着までで、ある程度は重いハンデをもらったほうが連対する確率は高い。なお、斤量増減に関しては、該当する全馬が前走より斤量減での出走だったため、ここでは省略した。

前走オープン特別出走馬の各種データ

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は「前走オープン特別出走馬」をまとめたもの。好走例がある前走着順は4着以内に限られ、5着以下だと大きく割引となる。ハンデは重いほうが好成績で、54キロ以上はあったほうがいい。斤量増減に関しては、増減なしの好走例が不思議と見当たらない点は気になるところだ。

前走G2出走馬の各種データ

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表8は「前走G2出走馬」をまとめたもの。前走着順で注目すべきは、2着だった5頭がすべて凡走に終わっていること。好走率が高いのは前走3〜5着で、確率は下がるものの前走6着以下から好走した例もある。また、ハンデが55キロ以下だと好走率が低いことも見逃せないところ。前走G2組はハンデ56キロ以上のほうがいいようだ。斤量増減も面白い傾向が出ており、この組で今回減だと好走率がかなり低い。一見不利に思える今回増が明らかに優秀なことをしっかりとチェックしたおきたい。

前走G1出走馬の各種データ

表9 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表9は「前走G1出走馬」をまとめたもの。前走G1といえども10着以下から巻き返すのは難しいので、最低でもひとケタ着順には収めておきたい。また、57.5キロ以上の重ハンデを背負わされても好走率が下がらないので、ハンデはあまり気にする必要はなさそう。斤量増減は、今回減のほうが手堅く走っているようだが、増減なしでも1着の例があり、これもそこまで気にしなくていいのではないか。

結論

 変則日程の今週は水曜日に出馬投票が行なわれ、本稿執筆時点で出走馬が確定している。17頭立てとなった今年のアルゼンチン共和国杯出走馬から、前走クラスに応じて有力と思われる馬をピックアップしていきたい。

 今年は、前走で条件戦を使っていた馬がソールインパクトのみとなった。そして、この馬は前走の六社S(1600万下)で3着に敗れており、この組の絶対条件となる前走1、2着を満たせなかった。

 前走オープン特別組は、4着以内に入っていることが条件。これを満たすのは丹頂S1着のプレストウィックと、オクトーバーS4着のトルークマクトの2頭。ただし、トルークマクトは過去10年で好走例のない7歳(以上)馬ということが大きな減点材料となる。プレストウィックも決して好走率が高いわけではない6歳馬だが、押さえるならこちらだろう。

 前走G2組は7頭が該当する最大勢力。このなかで好走率の高い前走3〜5着に収まる唯一の馬となったのが、京都大賞典5着のレコンダイトだ。ただし、この組では好走率が低い斤量減に該当し、7歳馬というのも引っかかる。この組で好走率が高い斤量増に該当するのはアルバートで、9歳という年齢に目をつぶればカレンミロティック、ヒットザターゲットという古豪2頭にもチャンスがあるかもしれない。

 前走G1組は、スワーヴリチャードのみが該当。表8の項で、前走G1組は前走着順をひとケタに収めたいと述べたが、ダービー2着のこの馬は文句なし。3歳馬の好走率も非常に高く、有力馬の一角を占めるのは間違いなさそうだ。もう1頭の3歳馬セダブリランテスは、好走例が皆無の前走G3組という点が気になるのだが、こちらも3歳馬というだけで押さえておいたほうがいいのではないか。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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