ソフトBは大成功、楽天は緊急補強失敗 途中加入した助っ人の貢献度を診断
苦しむ途中加入の助っ人投手陣
キューバ出身のモイネロ(左)はソフトバンク勝利の方程式の一角を担う 【写真は共同】
BCリーグ・富山から加入して秘密兵器として期待されたコラレスは、8月15日の西武戦で1軍初登板を果たしたが、3回5安打7四死球5失点の大乱調デビューで、以降はお呼びが掛からず。同じく宋家豪も、デビュー戦で1イニングを3安打2失点と結果を残せずに1試合のみの登板となっている。
加入後に先発として5試合に登板しているファイフは、デビュー2戦目の7月12日のロッテ戦で5回2失点で来日初勝利を飾ったが、それ以降は内容的にもパッとせず。ここまで5試合で1勝1敗、計21イニングで17失点(自責16)での防御率6.86という成績に留まっている。
そう考えると、エスコバーは奮闘している方だろう。日本ハムから横浜DeNAにトレード加入すると、ここまで15試合で1勝2敗、防御率4.64。移籍後初先発となった8月6日の広島戦(横浜)では5回9安打7失点(自責5)と期待に応えられなかったが、中継ぎとしては防御率3.31とまずまずの数字を残している。
独走の原動力となったキューバ出身サウスポー
昨季は7月に11勝11敗の後、8月に11勝14敗と失速して日本ハムに逆転Vを許したソフトバンク。今季は7月15勝5敗、8月17勝8敗と夏場に快進撃を見せた。その原動力は、開幕からの登板過多で疲れの見え始めていたブルペンの救世主、キューバ出身のサウスポーであることは間違いない。一方で、コラレス、宋家豪に加えて、トレードで獲得したクルーズもここまで13試合で打率1割6分2厘と戦力になれなかった楽天は、8月中旬から急失速。戦力が足りずに息切れしたと言える。
新戦力の明暗もあって、パ・リーグの優勝はほぼ決まったと言える。あとはセ・リーグ。ウェーバーによって日本ハムから阪神に電撃加入したメンドーサは、9月3日の中日戦で先発して7回7安打4失点で黒星デビュー。首位・広島とのゲーム差は6.5。「奇跡」は起こせるのか。メンドーサが救世主になれれば、あわよくば、となるのだが……。
(三和直樹/ベースボール・タイムズ)