サヨナラボークを経てプロ目指す雑草右腕「夢を語ったからにはやるしかない」
神宮は一心不乱になれる場所
初戦の東北福祉大を完封、2回戦も9回途中まで九州産業大打線を1失点に抑えた小久保。右上手から140キロ台中盤を記録する本格派 【写真は共同】
神宮の舞台は「あっという間に終わった気がして一生懸命、一心不乱になれる場所でした。確かに相手はすごいけど、自分たちのできることをやってミスをしなければ、十分ついていけると感じました」と振り返る。
これまでの大学生活で得たものから高校球児へのメッセージを尋ねると「どの道に進もうと結局は自分次第だと思います。考え方は低いレベルで考えることもできるし、高いレベルで考えることもできる。また、自分で高いレベルだと思っていても、試合など様々な経験を通じてレベルの低い考え方だと分かりさえすれば、そこから誰にでもチャンスはあると思います」と、やや恐縮しながらも言葉をひとつひとつ丁寧に紡いでくれた。
ハッキリと「プロが第一希望」
四国学院大を指導する橋野純監督。かつては観音寺中央高(現・観音寺総合高)を率いて1995年春の甲子園で全国優勝を達成している。小久保に対しては、「チャレンジ精神があって自分で工夫ができる子」と評す 【写真:高木遊】
「よく小学生が“僕、プロ野球選手になりたい”と言うのをここまで変えずにきたという感じですね。やれるところまでやりたいという気持ちが強いんです。馬鹿みたいに夢語って、語ったからにはやらないといけない。みんなにそう言ってきたので、やるしかありません」
普段は後輩からもいじられる“愛されキャラ”だが、野球と真摯に向き合う小久保は、自身の名前の由来である気宇壮大(きうそうだい:心意気、度量や発想などが人並みはずれて大きいさま)そのままに、強い意志でブレることなく目標に向かっていく。それは、これからもおそらく変わることはないだろう。