とはいってもキタサンブラックのような偉大な「スター」は、そうした小手先の現象論で語れるものでもありません。

　突然のスピリチュアルな展開ですが……何よりも「魂」の影響が大きいのかもしれません。

　新宿のあるカリスマ占い師に「人間には、魂が宿る。有名人は乗り移っている魂のエネルギーが常人の比ではない。だから成功するんだ！」と教えられたことを思い出します。

　そういえば、TV番組「競馬血統研究所」で共演させていただいている、小籔千豊さんも「魂が見える」といつも言ってましたっけ。

　馬の世界も、馬主の放つ強烈な魂が、馬に宿るのかもしれません。(魂が見えない庶民のボクは小手先の血統論で馬券を推理するしかありませんが)

　キタサンブラックの馬主は北島三郎氏。これだけでも強烈な魂が移りそうですが、キタサンブラックの祖母オトメゴコロは、AKBプロデューサーの秋元康氏の魂も、ちょっとだけ乗っています。

　キタサンブラックはヤナガワ牧場生産ですが、祖母のオトメゴコロは社台ファーム(早来)生産馬。オトメゴコロの子でノーザンファームが生産したベストレパートリーをAKB48のプロデューサー秋元康氏が所有していたのです。

　ノーザンファームの牝系は「有名人が所有するとさらに大物が出やすくなる」ジンクス(?)があるのも有名な話。これも、有名人馬主の強大な魂が馬に宿るからでしょうか？　たとえば、今年のドバイターフを優勝したヴィブロス、天皇賞春で2着のシュヴァルグラン、ヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナはすべてノーザンファーム生産馬。母はすべてハルーワスウィート。馬主は、大魔神佐々木主浩氏。

　今年の皐月賞を制したアルアインもノーザンファーム生産馬。同馬は一口馬主クラブ(サンデーレーシング)で募集された馬で40口で所有される馬。メンバーのひとりには、レジェンド山本昌氏の名が。

　歴史的名牝、ブエナビスタもノーザンファーム生産馬。一口馬主クラブ(サンデーレーシング)で募集された馬で40口で所有される馬。メンバーには、スーパー草野仁氏。

　キタサンブラックは「ノーザンファーム生産で有名人が所有する牝系の馬」というジンクスにも該当するわけです。

　これもすべては「魂」のなせる術でしょうか？　今度、新宿の占い師に相談してみます。

文：亀谷敬正氏（血統研究家）
血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、その革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』（ともにCS放送フジテレビONE）に出演。