中日・小笠原慎之介インタビュー「2年目だからという甘い考えはない」

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「カーブを磨いていく」

高卒2年目の今季、小笠原慎之介は冷静に自分のピッチングを見つめている 【写真:BBM】

 勢いのあるストレートと、対照的にブレーキの利いたチェンジアップは一球品。だが、2種類の球種で通用するほどプロは甘くない。投球の幅を広げるためにも、現在はカーブ習得に心血を注いでいる。

――小笠原選手の武器であるストレートですが、正直に言えば、今季はファウルにされていることが多いように感じます。

 ファウルにされてしまっているんですけど、結局、しっかり投げられるのが真っすぐとチェンジアップだけなので。このカウントで投げられるのは真っすぐしかないとか、自分で窮屈にしてしまっているところはあります。選択肢がないんですよね。カーブとスライダーではストライクが入らない。チェンジアップは中盤になってくると見られてしまう。じゃあ、投げる球は何だというとストレートしかない。そういうところだと思いますね。スライダー、カーブ、チェンジアップをバランス良く投げられないと球数は多くなりますし、真っすぐしか投げられない場面も出て来てしまう。

――昨季の後半はまんべんなく使っていましたからね。ということは、初めに話していたように、ゼロからのスタートがはまっていけば、さらに状態が上がっていく。

 なってくれればいいんですけどね。なってくれないと困ります。

――ストレートでも、オリックス戦(6月9日)の2回1死満塁で武田健吾選手を見逃し三振に取ったように、右打者ヒザ元へのボールはズバリと決まっていますね。

 左は全然ですけど、右には決まっています。僕の場合はあそこに投げられないと話にならないですからね。基本線になりますから、あそこのラインをしっかり立てておかないと。それも、これまではマッスラしていたのでなかなか投げられなかったところでしたけど。ストレートの質も良くなっていると思います。

――左投手なら右打者の内角に食い込ませるなど、マッスラを生かす投手もいます。

 意識して、一つの球種として投げられたらそれもできますけど、僕の場合は気紛れで変化してしまうので。あくまで投げたいのは、きれいな真っすぐですから。

――カーブ、スライダーを自己採点するとすれば?

 点数はまったくないです。点数をつけるほどの価値はないので。ストライクが入るのもまぐれ。それがまぐれじゃなく、ストライクゾーンに入って当たり前にならないと。

――カーブは、変化自体は悪くないですよね。

 そうですね。後はそれをしっかり投げられるようになれば球数は減りますし、真っすぐをもっと速く感じさせることもできます。ストライクを取れる球をもう一つ増やさないといけないと思っているので、スライダーよりもカーブを磨いていくつもりです。

――現在も練習のキャッチボールから投げています。

 それくらいやらないと、感覚は戻って来ませんから。投げられるようになればピッチングはかなりラクになると思っています。

「ほかの選手を見ている余裕がない」

 まだ19歳という年齢を考えれば、十二分に役割を果たしているように見える。それでも自身は現在の投球に満足していない。「勝ち頭になる」。そんな言葉が自然と口をついて出てきた。

――このような言われ方は心外かもしれませんが、高卒2年目という年齢では現在でも十分な投球内容に感じます。

 でも、この先、生き残っていくのなら、その言葉は通用しないですからね。その言葉だけで今年、満足してはいけないと思っています。自分を甘えさせないように、ハードルを高くして。森(繁和)監督からの期待もあると思うので、何とか応えられるように。2年目だからこれくらいでいいという甘い考えは、僕は持っていません。

――あくまでも先発ローテーション投手の一人。

 勝ち頭になるには、そこで満足してはいけないと思っています。

――同級生の活躍は気になりますか?

 まったく気にならないですね。記者の方によく教えてもらうんですけど、「あ、そうなんですか?」ということが多いです。ほかの選手を見ている余裕がないので。自分が結果を出さないと2軍に落とされるとか、そういうほうが強いですね。

――今後、さらに伸ばしていきたい部分は?

 今、三振は理想の取り方ができています。ある程度、そこに決まってくれると三振を取れるんだ、と思って奪えています。

――それは昨季を経験してつかんだポイント?

 つかんでいる部分はあるんですけど、先輩にアドバイスをもらうこともあります。配球に関して言えば、「決め球にするボールを生かすための、1球目、2球目の意図がない」「ただストライクが欲しいだけで、決め球への意図が見えない」と。僕も言われて、そういえば、ないなと気づきました。空振りを取りたい、取りたいという欲しかなくて、どうやって抑えるか、というところまでできていませんでした。

――現在、試合の中でそれはできていますか?

 考えながらやっていますけど、余裕がないときもあります。徐々に引き出しは増えていると思いますけど、まだ数が少ないですね。

――自己評価は厳しいですが、マウンドでは昨季よりも存在感が増しているように感じます。

 そういうふうに見えていないと、困りますよね。去年と変わっていないと言われたらそこまで。一つひとつ、1試合ずつ経験して成長していかないと来年にもつながらないですし、同じことを毎日やっていても仕方ない。任せられるように、「頼むぞ」と言われるようになりたい。やっぱり成長したいですね。1試合1試合……いえ、1球1球でも。それくらいじゃないと先発ローテーションには入れませんから。

――交流戦が終わり、レギュラーシーズンが再開しますが、今後の目標を教えてください。

 とにかくゼロにこだわってやっていきたいですね。無失点であったり、被安打、フォアボールをゼロに近づけることです。完投、完封は球数を抑えないといけないですから……そのためにもやっぱりカーブですね。

(取材・構成=吉見淳司 写真=栗山尚久、BBM)

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