堂安、市丸、初瀬のG大阪トリオが機能 U−20W杯のイタリア戦をデータ分析
日本のポゼッションを支えた中山と冨安
キャプテンを務めた中山(写真)と冨安のCBコンビは守備だけでなく、ビルドアップでも貢献 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
ファーストタッチが良かった堂安は、フリーでペナルティーエリアへドリブルで侵入し、相手のすき間へ突破。イタリアDFはファウルを恐れ、がっつり当たれない。堂安は見事な突破からシュートを流し込み、2−2となる同点弾を挙げた。
あっちこっちとイタリアを修正に走らせ、それでも柔軟に違う形を繰り出す日本のポゼッションは、非常に質が高い。それを支えたのは、センターバック(CB)の中山雄太と冨安健洋の安定した配球だ。彼らはドリブルやポジショニングで、相手センターFW(CF)の裏へ入ることを恐れず、果敢にビルドアップの起点を作った。ミスも少なく、すばらしい出来だった。
オフサイドが取れない日本の課題
南アフリカ戦では初瀬が残ってオフサイドが取れずに失点。大会を通じて日本はライン崩れのミスが続いている 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
ボールがフリーなのにラインを高い位置に保つCBに問題があるのか、あるいはマークに意識を引っ張られるSBに問題があるのか。少なくとも、逆サイドにいるときのSBは、もっとラインに気を配るべきだろう。いずれにせよ、この大会を通じて日本はライン崩れのミスを犯しており、南アフリカ戦では初瀬が残る形で、オフサイドを取れず失点した。その問題が再発した格好だ。
イタリアはアーリークロスへの判断が早く、同様のシーンは他にも見られたので、日本の弱点を狙っていたのだろう。2失点目のFKも、ファーサイドからオルソリーニが飛び出してマークを引っ張り、日本のラインを押し下げたところで、ニアサイド側へ17番ジュゼッペ・パニコが飛び出してきた。やはりオフサイドは取れず、そのままワンタッチで沈められている。決勝トーナメントでは、日本が注意するべきポイントだ。
※本スタッツデータは大会公式とは異なる場合があります。
(グラフィックデザイン:相河俊介)