ファンディーナが挑む大胆で緻密な春二冠 目指す69年ぶり牝馬V、そしてダービーへ

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「間違っちゃいけないのは牝馬なので」

 これ以上強い調教を課さないのには理由があった。

「1月のデビューから中3週で3戦、間隔を空けずに使ってきて体ができているので、やる必要がないんです。男馬なら、もう少しやってもいいかな!? って思うんですが、間違っちゃいけないのは牝馬なので」

 期待の高まりとは対照的に高野師は取材中、幾度となく慎重な姿勢を見せた。

「3歳牝馬は日々変わります。強い能力を秘めていたショウナンパンドラでさえ、この時期は体がしっかりせずフラワーCも5着でした。1年後にはジャパンCを勝って、牡馬かと思うくらい強い馬でも、ですよ。3歳牝馬って、そういう時期なんです」

「強い能力を秘めていた」というショウナンパンドラ、ジャパンCを制するまでに(撮影:下野雄規) 【netkeiba.com】

 たった一つ歯車がかみ合わなかっただけでもレースでの走りに影響を及ぼしやすい時期なのだろう。

「長距離輸送や中山コースなどフラワーCにおいては色々とクリアできたと思いますが、1つ経験したことで、次に輸送したら『あ、競馬だ』と馬が思うかもしれません。今回も大丈夫とは全く言えない世界ですからね。できる限りの手は打っていこうと思っています」

 デビューから僅かずつではあるが馬体重が減り続けている。またレースを重ねるごとにパドックで気合いが乗ってきているようでもある。念のため、当日のパドックで確認したい。

ダービー参戦プランも

ファンディーナを管理する高野友和調教師(撮影:大恵陽子) 【netkeiba.com】

 フラワーC前日に行われた同距離のスプリングSとは勝ちタイムが0.3秒差。前半の流れの違いがありながら約1.1/2馬身差という換算になる。フラワーCと同程度、あるいはそれ以上のパフォーマンスを発揮できれば、勝ち負けが期待できるのではないだろうか。

 しかし、なぜ皐月賞を選んだのか。さらに言えば、なぜフラワーCを選んだのだろうか。

「つばき賞を勝っても、GI出走にはまだ賞金が足りない状況でした。賞金加算とレースの間隔を考えてフラワーCを選んだんです。そこを勝って、オーナーサイドの要望もあり皐月賞になりました」

 デビューから全3戦が1800m。この先のことを考えればマイルの桜花賞で距離短縮する必要はなかったのかもしれない。

「中山1800mはメンバーが違うとはいえ、こなしてくれました。中山コースは問題ないと思いますし、フラワーCの内容からすると1F延長にも対応するでしょう。ゲートセンスもいいですし、加速も出たなりでしていけるので騎手が取りたいポジションをある程度取れると思います」

 最終追い切り後の共同会見では今後への期待が高まる言葉が出た。

「無事にここ(皐月賞)を走れば、ダービーに行くプランもあります」

 加速をした時の大きく軽やかなストライドは、どことなく父ディープインパクトを彷彿とさせる。母ドリームオブジェニーは、英国タタソールズの繁殖セールで生産者が惚れて、浦河に連れて帰ったという。

 まだまだ繊細な乙女。何度もカメラを向けると余計なプレッシャーを与えてしまうのではないか、と思ってしまうが、それでも彼女の姿を追わずにはいられない。大きなポテンシャルを秘めた3歳牝馬は、たくさんの人の夢を背負って皐月の舞台を駆け抜ける。

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