混戦予想でどの試合も見逃せない!! WBC1次ラウンドD組見どころ

世界の野球

A・ゴンザレスがけん引するメキシコ 【Getty Images】

 3月10日(日本時間)にメキシコで第1試合を迎える第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドD組。この組には地元のメキシコ、前回大会準優勝のプエルトリコ、世界ランキング7位のベネズエラ、11位のイタリアが同居する。混戦が予想されるD組の戦力とは!?

D組戦力分析

1次ラウンドD組の戦力分析(10段階評価/データ提供:世界の野球)【スポーツナビ】 【スポーツナビ】

メキシコがダークホースか

 登録選手発表後、メキシコは今大会のダークホースとして評価する声が最も多い。最大の理由はメジャーリーガーがズラリと並ぶ投手陣。通算108勝を記録しているガヤルド(マリナーズ)ら先発投手もそろうが、36セーブをマークしたオスーナ(ブルージェイズ)ら、昨季メジャーで40試合以上登板した投手を複数擁するブルペン陣がこのチームの最大の特色と言っていいだろう。

 チームリーダーのA・ゴンザレス(ドジャース)に、レアード(北海道日本ハム)、アマダー(東北楽天)、クルーズ(巨人)のNPBでプレーする3人も名を連ねる打線もまずまずの陣容で、まず地元で戦う1次ラウンドをきっちり突破し弾みをつければ、初の決勝ラウンド進出も見えてくる。

投手陣に不安のプエルトリコ

プエルトリコは名捕手モリーナのリードでD組を勝ち抜きたい 【Getty Images】

 前回アメリカや日本などを破り準優勝を果たしたプエルトリコは、リンドーア(インディアンス)ら若い内野手のスターが台頭する一方で、投手力はこの組の中ではやや苦しい。ただ前回大会もピッチャーの前評判は低く、データの少ないマイナー投手も含めた細かい継投と、MLBを代表する名捕手であるヤディアー・モリーナ(カージナルス)の巧みな配球がかみ合えば、今回もカバーできる可能性は十分にある。

投打に大物そろうベネズエラ

マリナーズのエースであるヘルナンデスを中心にスター選手がそろうベネズエラ 【Getty Images】

 前回大会でドミニカ共和国、プエルトリコと同居する死のグループに泣いたベネズエラは、2大会ぶりの参加となるエースのヘルナンデス(マリナーズ)、現役最強打者の呼び声高いカブレラ(タイガース)、昨季のア・リーグ首位打者アルトゥーベ(アストロズ)らスーパースターをそろえ、初優勝に対する思いが最も強い国の一つと言えるだろう。投打にメジャーリーガーがバランスよく並ぶ強力な布陣だが、まずは地に足を付けて1次ラウンド突破を狙いたい。

イタリアも侮れない

前回大会は2次ラウンドに進出したイタリアも侮れない。マエストリ(写真)は前回に続き、今回も代表入りした 【Getty Images】

 基本的にこれらの3カ国で2次ラウンド進出争いが繰り広げられると見られるが、カナダとメキシコを破って前回8強に進出しているイタリアも他の国にとって簡単に勝てるような相手とは言えず、神経を使わなければ足元をすくわれる。この試合をどう戦うかもカギを握ってくるだろう。

 前回準優勝国ですら2次ラウンドに勝ち進める保証がない死のグループは、どの試合も見逃せない熱い戦いが繰り広げられるはずだ。
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著者プロフィール

2005年秋の第1回アジアシリーズ、翌春の第1回WBC開催をきっかけに世界の野球事情を知る喜びに目覚めた国際野球オタク。これまで寄稿した媒体に『Number』『EX大衆』など。国内外を問わずさまざまなジャンルの野球を見ているが、情報量の少ないマイナー国の野球を中心に、ペンネームと同名のブログ『世界の野球』で情報発信することを日課としている。

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