今回のドミニカ共和国は“史上最強” WBC1次ラウンドC組見どころ

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前回優勝のドミニカ共和国はカノを中心に大会連覇を狙う 【Getty Images】

 3月10日(日本時間)のドミニカ共和国vs.カナダで幕を開ける第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドC組。C組には世界ランキング2位のアメリカ、8位のカナダ、13位のドミニカ共和国、19位のコロンビアが同居する。前回優勝のドミニカ共和国を擁するC組の見どころは!?

C組戦力分析

1次ラウンドC組の戦力分析(10段階評価/データ提供:世界の野球) 【スポーツナビ】

ゲームでしか実現できない豪華メンバー

 WBCの歴史上、今回のドミニカ共和国がロースターの時点では史上最強チームと言っていいだろう。

 昨シーズン43本塁打を放ったクルーズ、自己最高の39本塁打を放った前回大会のMVP・カノ(ともにマリナーズ)ら30本塁打以上を記録した選手が5人。これに2度の本塁打王を獲得したバティスタ(ブルージェイズ)も加えた野手陣はテレビゲームでしか実現できなかったような豪華メンバーだ。

 投手陣も昨季16勝のマルティネス(カージナルス)のようなエース級がそろう先発に、リリーフはベタンセス(ヤンキース)やナ・リーグセーブ王のファミリア(メッツ)など各球団のクローザー、セットアッパー級が余りそうなくらいそろっている。どこを切り取っても穴がなく、単にネームバリューだけで考えるなら負ける姿をイメージする方が難しい。

ソリッドな布陣そろうアメリカ

2度の本塁打王に輝いたアレナドだが、華麗な三塁守備にも注目したい 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】

 このドミニカ共和国と二強を形成するアメリカは、今回もロースターの28人を全てメジャーリーガーでそろえる。4度のゴールドグラブと2度の本塁打王に輝いているアレナド(ロッキーズ)や、捕手として首位打者とMVPの獲得経験を持つポージー(ジャイアンツ)ら、攻守を兼ね備えたタイプの球宴経験者を各ポジションにそろえたソリッドな布陣は実にアメリカらしい。

 サイ・ヤング賞クラスのエースこそいないものの、昨季16勝のロアーク(ナショナルズ)やポストシーズンでの活躍が記憶に新しいミラー(インディアンス)ら、投手陣もまずまずの陣容だ。

初出場・コロンビアの挑戦に注目

カナダの主軸・フリーマンはチームを初の2次ラウンドへ導けるか 【Getty Images】

 一方で多くのメジャーリーガーを輩出しながら、未だ2次ラウンド進出経験のないカナダは今回も苦しい。2度の球宴経験を持つフリーマン(ブレーブス)ら野手は悪くはないメンバーだが、いつものように先発投手の駒がそろわず。安定感のある戦いを求めるのは難しいだろう。

コロンビアの左腕エース・キンタナは昨季13勝をマーク 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】

 むしろ初出場となるコロンビアがキンタナ(ホワイトソックス)、テヘラン(ブレーブス)と二桁勝利クラスの先発を二枚そろえており、アップセットに期待する声が多い印象だ。母国の野球発展への思いを口にする選手も多く、鉄板の二強に初出場国がどのような戦いを見せてくれるのか。コロンビアの挑戦が実はこのプール最大の見どころなのかもしれない。
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著者プロフィール

2005年秋の第1回アジアシリーズ、翌春の第1回WBC開催をきっかけに世界の野球事情を知る喜びに目覚めた国際野球オタク。これまで寄稿した媒体に『Number』『EX大衆』など。国内外を問わずさまざまなジャンルの野球を見ているが、情報量の少ないマイナー国の野球を中心に、ペンネームと同名のブログ『世界の野球』で情報発信することを日課としている。

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