日本の初戦がプール全体の行方を左右 WBC1次ラウンドB組の見どころ

世界の野球

初戦の出来がカギを握りそうな日本。小久保裕紀監督の采配に注目だ 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 3月7日の日本vs.キューバで幕を開ける第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドB組。B組は世界ランキング1位の日本、5位のキューバ、10位のオーストラリア、18位の中国がエントリーされている。日本の戦いぶりが大きな注目を集めるB組の見どころは!?

B組戦力分析

1次ラウンドB組の戦力分析(10段階評価/データ提供:世界の野球) 【スポーツナビ】

戦力と勝ち抜けはイコールではない!?

 戦力はこのプールでは日本が頭一つ抜けている。ただ、それが簡単にここを勝ち抜けることと必ずしもイコールで結びつくわけではない。

 09年の第2回大会の初戦は格下の中国にわずか5安打4得点、前回大会はブラジルに常に先行を許す苦しい試合展開だった。試合勘や独特の緊張感、コンディションといったものに左右されやすいWBCの立ち上がりの戦いだが、そこを実力差のある相手と戦うことでカバーしてきた側面があったことを指摘する声は少ない。

 今回最初に当たるキューバ、オーストラリアはウインターシーズンをメインにプレーしている選手で構成されるため、1次ラウンドで対戦する時点では日本より仕上がっていると考えるべきだろう。ちぐはぐな戦いをしているうちに受け身になり、一気にこの両国に飲み込まれる可能性は決してあり得ない話ではない。

キューバと豪州は並列と見るべきか

キューバの主砲・デスパイネ 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 キューバは前回大会以降、デスパイネ(福岡ソフトバンク)を除き多くの主力野手が亡命。プレミア12でも準々決勝敗退に終わるなど、国際大会でこれまでにないほど苦しい戦いが続く。ただアマチュア最強軍団のこの大会に対する思いは強い。今季は1月で国内リーグを打ち切り、シーズン最後の戦いとなるWBCに向けて、最善の準備を尽くしてくる。

モイランは昨年のWBC予選でもオーストラリア代表に名を連ねていた 【Getty Images】

 50試合に登板したモイラン(ロイヤルズ)など、昨季メジャーに出場した選手を3人擁するオーストラリアは初の二次ラウンド進出を目指す。ディーブル監督はアテネ五輪で銀メダルを獲得した当時の監督でもあり、日本を二度破った13年前のアテネ五輪の再現を虎視眈々(たんたん)と狙っている。

 キューバの近年の低迷やオーストラリアがメジャーリーガーの招集に成功している点を踏まえると、この両国は並列に近い力関係かもしれない。

中国もアップセットを狙うが…

メジャー通算82勝を誇るブルース・チェン 【写真:ロイター/アフロ】

 ここ2大会続けて1勝をマークしている中国。メジャー通算82勝の実績を持つパナマ出身のブルース・チェンなど中国系選手5人も加わり、3大会連続のアップセットを狙っているが、序列的にはやはり4番目。

 順当にいけば日本が1位通過、そこにキューバかオーストラリアが続くと見られる構図だが、戦力の違いがそのまま結果に反映されない点が国際大会の面白さでもある。特に日本がどういう状態で初戦のキューバ戦を迎えるかは、このプール全体を占う大事な一戦になってくるだろう。

※リンク先は外部サイトの場合があります

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

2005年秋の第1回アジアシリーズ、翌春の第1回WBC開催をきっかけに世界の野球事情を知る喜びに目覚めた国際野球オタク。これまで寄稿した媒体に『Number』『EX大衆』など。国内外を問わずさまざまなジャンルの野球を見ているが、情報量の少ないマイナー国の野球を中心に、ペンネームと同名のブログ『世界の野球』で情報発信することを日課としている。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント