日本人ランナー向けサービスも充実 初めてのシドニーマラソンを採点
日本人ランナー専用のカウンターも用意
【写真提供:南井正弘】
エクスポの規模こそ小さいものの、スポーツ用品のオフィシャルスポンサーにはアシックス、ランニングディバイスのオフィシャルスポンサーにトムトムといった各業界のトップブランドが就いている点は、オーストラリア随一の都市で行われる大規模大会ならでは。会場ではシドニーランニングフェスティバルのレースディレクターのウェイン・ラーデン氏とトムトムのアジア・パシフィック担当副社長のクリス・カーニー氏のインタビューも行われ、ラーデン氏は「年々シドニーマラソンの参加者は増加しており、フルマラソン単体ではメルボルンマラソン、ゴールドコーストマラソンの参加者数には及びませんが、すべての競技の合計参加者では歴史ある二大会を凌駕しており、今後もエントリー者数は増え続けることを確信しています」とコメント。
シドニーマラソンは日本からのランナーも少なくなく、10月1日(土) 14:00〜14:55で、BSフジでダイジェストが放送されたように、日本との関係も深い大会といえるだけに、ラーデン氏は今後日本からのランナーの大幅な増加を期待しているようだ。エクスポには日本人ランナー専用のカウンターも用意されており、これは英語に不安のあるランナーには本当に嬉しいサービスとなることだろう。
一方でクリス・カーニー氏はトムトムにとってシドニーランニングフェスティバルは重要な大会であることに加え、トムトムスパークを始めとした自社のランニング用ディバイスの性能の高さと操作性の容易さを強調していた。
【写真提供:南井正弘】
【写真提供:南井正弘】
【写真提供:南井正弘】
【写真提供:南井正弘】
参加ランナーは往復の運賃が無料!
ハーフマラソンのスタートはすべての競技で最も早く、朝6時のスタート。普通は距離の長いレースからスタートするが、シドニーランニングフェスティバルではフルマラソンのスタート(7時05分)よりも1時間早い。宿泊先のプルマン シドニー ハイドパークからタウンホールの駅まで歩くと、駅にはランナーだらけ。ゼッケンを提示すると運賃は行きも帰りも無料とのこと。これはホント素晴らしいシステムで、日本でも真似してほしい。
二つ目のミルソンズポイントで降りるとスタート場所まではすぐだったが、スタートエリアはニューヨークシティマラソンのスタッテン島やロサンゼルスマラソンのドジャースタジアムあたりと比較すると「ここで本当に大規模な大会がスタートするの?」といった雰囲気の場所で、スタートの15分前くらいになると、ランナーは指定されたコラルへと向かい始める。筆者はAというコラルなので最初にスタートする区分。自分のすぐ隣に110分(1時間50分)のペースランナーがスタンバイしていたが、アメリカや日本の大規模大会と比較すると、ランナーはあまり前へ前へといった感じがない。
想像以上にタフなコース!
コース自体はシドニー最古の街のひとつであり、レンガ造りの建物が趣のあるエリア「The Rocks」も走るなど、変化があって楽しい。ロサンゼルスマラソンのドジャースタジアムをスタートし、リトルトウキョウ、ハリウッド、ビバリーヒルズを経てサンタモニカでゴールする豪華なコースには敵わないものの、普段は走れないハーバーブリッジの車道部分を走れたり、ゴールも街を象徴する観光名所であるオペラハウスなので、この大会を走ることによってシドニーという街をダイジェストで感じることができる。
走っている途中で思わず立ち止まって景色を眺めていたくなるポイントもいくつかあった。20km地点では対岸にゴールのオペラハウスが見える。ここまでくると地形はフラットになり、軽快な足取りでカフェにてコーヒーや朝食を楽しむ人々の横を駆け抜けてオペラハウスのゴールでフィニッシュ。アップダウンのキツイタフなコースだったが、脚は意外と残っていたので、後半はあまりペースを落とさずに、手元のトムトムスパークで2時間1分12秒、公式タイムは2時間0分48秒(ネット)。ちなみにトムトムのMySportsというアプリによると累積標高は520m。ハーフマラソンの距離としてはかなり標高差がある。このレースの前に参加したハーフマラソンは6月のロックンロールマラソン シアトル大会で、シアトルも坂の多い街だったが、シドニーはそれ以上に高低差のあるコース設定であった。
さすがスポーツ先進国らしい大会、惜しむらくは……
シドニーマラソンのコースのメインとなるのはなんといってもハーバーブリッジ。 【写真提供:南井正弘】
惜しむらくはアップダウンの多いコースは記録が出しにくいことと、沿道の応援がアメリカに大会と比較してかなり少ないこと。アメリカの大会ではニューヨークシティマラソンを筆頭に沿道の応援が本当に力になるが、ここではそれが期待できない。ただしスタートエリア、ゴールエリアのアクセスのしやすさや、ゼッケンを提示すれば公共交通機関が無料というサービスのよさは素晴らしい。アメリカやヨーロッパの大会では悩まされるジェットラグ(時差)の問題もないのも大きなアドバンテージだ。
ちなみにこのシドニーマラソン、日本からも数多くのツアーが企画されており、海外渡航に慣れていないランナーも気軽に参加できる。またシドニーという街は旅慣れたランナーが航空券、宿泊先を自ら手配するFIT(個人手配旅行)にも向いており、かなり治安がいい点も海外マラソン初心者にオススメしたいポイントである。9月〜10月をレースシーズンのスタートと捉えるランナーは少なくないが、その初戦に設定するのも悪くないだろう。
ハーバーブリッジでポーズを決める参加Tシャツを着用した日本人ランナー。Photographed by Kellie La Franchi 【写真提供:南井正弘】
ゴールはシドニーの観光名所として有名なオペラハウス。Photographed by Jason McCawley 【写真提供:南井正弘】
ファミリーラン(3.9km)では、こんな感じで仮装して走るランナーも少なくない。 【写真提供:南井正弘】
フルマラソン男子の部の優勝はコニカミノルタの谷川智浩選手。Photographed by Kellie La Franchi 【写真提供:南井正弘】
今回のレースをサポートしてくれたのはトムトムのスパーク。直感的に操作できる点と見やすいディスプレーがいい。 【写真提供:南井正弘】
トムトムの無料アプリMySportsではこんな感じでランの結果を確認可能。ハーフマラソンの距離で累積標高520mはやはりキツかった。 【写真提供:南井正弘】