姉・ヴィルシーナの無念を力に変えて 激変ヴィブロスが混戦の秋華賞を斬る

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乗っていてヴィルシーナと勘違いすることも

最終追い切りも順調に消化、体調は万全に整った(撮影:大恵陽子) 【netkeiba.com】

 1週前追い切り、最終追い切りともに坂路で行われ、上がり1Fはともに13秒台。紫苑Sの末脚が印象に残る中、この時計だけを見ると物足りなさを感じるかもしれないが、ともに馬場状態が悪い時のもの。410kg台の牝馬にとって、パワーを要するウッドチップより京都の硬い芝コースの方が向いているのだろう。

「最終追い切りは息の入りもよく、いい状態がキープできています。体もより大きくなり、少しプラス体重での出走になると思います」

 追い切り後の馬房では、いつもと変わらぬ元気いっぱいの姿を見せた。

「この馬はお姉ちゃんと違って、じっとしていないんですよ」

 祖母ハルーワソングから親子3代にわたりこの血統を手がける友道師は、愛情たっぷりに笑った。

姉の果たせなかった夢を叶えるときが来た(撮影:大恵陽子) 【netkeiba.com】

 姉妹を担当する安田晋司調教助手もヴィルシーナを懐かしみながらこう話した。

「乗っていて、若い頃のヴィルシーナと勘違いしてしまうことがあるんです。背中のしなやかさが似ていますね。春に比べて筋肉量も増えて、見た目が明らかに変わってきました。トモに丸みがあって、幅が出てきました」

 ヴィルシーナを溺愛していた安田助手は、妹の成長に目を細めた。

 あと数日に迫った秋華賞まで雨予報は出ていない。

「パンパンの馬場の方がいいし、2000m内回りで直線平坦コースは一番合っていそうな馬場だと思います」(友道師)

 姉は秋華賞で気迫の粘りを見せたが、わずか7cm差に涙をのんだ。あの時の夢は、同じ佐々木主浩オーナー&友道厩舎タッグで勝負根性とともに妹へ託される。

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