スウェーデン代表が目指す新しい形 堅守からポゼッション重視の戦術に
エリクソン監督が理解するメンタルの重要性
かつて、うつ病を患ったエリクソン監督。自らの経験からもメンタルの重要性を理解している 【Getty Images】
サッカーから離れざるを得なくなったエリクソン監督は、うつ病と診断されてからしばらくの間は寝室から台所に向かうことさえ勇気が必要だった。テレビを見ている最中に、突然声を上げて大泣きすることもあったという。そんなエリクソン監督が約2年間という時間をかけて、うつ病を克服できた要因が、今日でも続けているメンタルトレーニングだった。
メンタルトレーニングを担当した人物の名は、ラーシュ・エリック・ウーネストール。この分野では世界的に名の知られた存在で、今や海外のスポーツ界では数多く活躍している「メンタルトレーニングコーチ」という名を初めて付けたと言われている。ちなみにウーネストール氏は、U−21欧州選手権でスウェーデン代表チームのメンタルトレーニングを担当し、優勝に貢献した。この分野の第一人者のトレーニングを受けたエリクソン監督は、スポーツにおけるメンタルの重要性を理解する。
日本との対戦で見られるのは今までと逆の構図?
「耐えて勝つサッカー」と「ボールを支配するサッカー」。日本との対戦では従来と逆の構図が見られるかもしれない 【Getty Images】
五輪開幕前、50人以上が招集を辞退した五輪代表のことを「何というジョークだ」「この代表チームは偽者だ」などと揶揄(やゆ)する声もあった。だが、選手のコメントやグループリーグの戦いぶりをみると、「心理学者」エリクソン監督のもとで自信を得たチームは伸び伸びとプレーしているように見える。
「耐えて勝つサッカー」と「ボールを支配するサッカー」。従来のイメージであれば前者がスウェーデンで後者が日本なのだろうが、11日の試合では逆の構図が見られるかもしれない。