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GLから一転、本来の力を示したベルギー
プレッシャーを吹き飛ばし準々決勝へ

「キャプテンは足でチームを引っ張った」

試合前、「もっとゴールに向かってプレーしろ」とアザールに要求していたウィルモッツ監督
試合前、「もっとゴールに向かってプレーしろ」とアザールに要求していたウィルモッツ監督【Getty Images】

 オランダ人ながらベルギー人から親しまれている解説者、ヤン・ムルダーは「素晴らしい試合だ。私の目は涙で潤んでいる。アザールは本当に良かった。ハンガリーは良いチームだったが、それ以上にベルギーが良かった」と最大の賛辞をこの日のベルギーとアザールのパフォーマンスに贈った。


「ムッシュー・カピタン」とインタビュアーがアザール主将を呼び、「レッド・デビルズ(ベルギー代表の愛称)において、君の最高の試合だったかい?」と尋ねた。


「ああ、そうだね。この試合に勝てば準々決勝はリール。このチャンスを絶対につかみたかったんだ。僕はリールの町をよく知っている。新しいスタジアムでまだプレーしたことがないから、試合をしてみたいんだ。今日はほぼパーフェクトな試合だった。チャンスを作り、ゴールを決め、またしてもクリーンシート(3試合連続の完封勝利)を記録した」


 リールはベルギーとの国境近くにある町で、アザールがチェルシーへ移籍するまでプレーしていたところでもある。ユーロでリールに凱旋(がいせん)することに対する熱い思いがインタビューによく表れていた。ウィルモッツ監督は「試合の前に、『もっとゴールに向かってプレーしろ』とエデン(アザール)に言っていたんだ。彼はそれができる。うちのキャプテンは足でチームを引っ張ったね」とアザールの活躍を喜んでいた。

次戦の不安材料はフェルメーレンの不在だが……

フェルメーレンのいないDFは不安材料だが、ウィルモッツ監督は控えの選手たちに信頼を寄せている
フェルメーレンのいないDFは不安材料だが、ウィルモッツ監督は控えの選手たちに信頼を寄せている【写真:ロイター/アフロ】

 試合後のテレビ番組『パネンカ!』でベルギー人が勝利の余韻に浸っていると、「オランダNOS局の番組『ストゥディオ・フランス(ユーロの特別番組)』では、『ベルギーは個々の力が素晴らしかった。でも、チームではない』と言っているようですよ」と北隣の国の論評を伝え、ユーリ・ムルダーはこれに対し「それはジェラシーだよ」と言ってスタジオの笑いを誘っていた。


 しかし、ピッチの上ではプレスのかけ方、パスの息の合わせ方など、プレーをしながらチームをチューンアップしている姿が随所に見られる。今のベルギーは試合を重ねながら、最適なフォームを探しているように見えるのだ。


 ともかく、試合前まで高まっていたプレッシャーは吹き飛んだ。「ベルギー人の誰もが、このナショナルチーム(の活躍)を喜んでいると、私は信じている」とウィルモッツ監督は胸を張った。


 準々決勝のウェールズ戦に向けて、不安材料はディフェンスリーダーのトーマス・フェルメーレンが出場停止になったことだ。左SBのヤン・フェルトンゲンをセンターバック(CB)にコンバートし、アルデルワイレルトと「トッテナム・コンビ」を組み、左SBにジョルダン・ルカクを起用するのか。それとも、ジェイソン・デナイヤーをCBに抜てきするのか。「トーマス(フェルメーレン)がいなくても問題はない。代わりの選手はちゃんといる」とウィルモッツ監督は控えの選手たちに信頼を寄せている。

中田徹
中田徹

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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