ファンに愛されるマリナーズ・李大浩 控え起用も勝負強さ武器に結果を残す

菊地慶剛

日本の経験を生かしてプレー

主に控え一塁手として2割5分4厘、6本塁打、12打点。これまでの成績に比べると物足りないが、本人は野球を楽しんでいるようだ 【Getty Images】

 5月23日終了時点で打率2割5分4厘、6本塁打、12打点を記録。打席に入る機会が少なく、調整が難しい中とはいえ、この成績は納得できるものではないだろう。しかもこれまで日本や韓国から多くの長距離打者がメジャーに挑戦したが、なかなか地元リーグで残したような結果を残すことができなかった。そのあたりを李はどのように感じているのだろうか?

「どんな選手にとっても新しい国、リーグ、環境でプレーするのは難しいのは理解している。今もビデオでしか見てない投手たちと対峙(たいじ)するのは本当にタフだ。ただ自分には日本で外国人選手としてプレーした経験があり、メンタル的にどれだけ大変なのかは理解しているつもりだ。今はその経験を生かしながらメジャーに対応できるように日々努力している」

 レベルが高くなったとはいえ、外国人選手としてプレーするのはNPBもMLBも変わらない。そういう意味で今回のメジャー挑戦は李にとって母国を離れるような大きな環境変化にはなっていないのかもしれない。最近日本で活躍する外国人選手の中に韓国リーグや台湾リーグで活躍し、NPBのチームと契約する中南米系の選手が増えてきたが、彼らが前所属リーグ同様に日本でも活躍しているのは、まさに李と同じ境遇だからなのかもしれない。

「今は控えとして最善を尽くす」

 実は李が地元ファンからすっかり人気者になっているのは前述のサヨナラ本塁打を打ったからだけではない。それ以降もファンの印象に残る場面で結果を残しているからだろう。例えばつい先日岩隈久志投手が今季2勝目を挙げた5月20日のレッズ戦でも、3対3の7回2死満塁で代打に登場し、2点勝ち越し打を放っている。こうした勝負強さがファンにとって李の最大の魅力なのだろう。

「もちろん毎日試合に出たいし、自分はそれができる選手だと思っている。でも今はこのチームが勝つためにベンチ選手、控え一塁手としての自分の役割を全うするため最善を尽くしていきたい」

 開幕から地区首位争いを続けるマリナーズ。これからも李の勝負強さが発揮されればされるだけ、チームもファンも彼の存在価値を喜ぶことになるのだろう。

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著者プロフィール

栃木県出身。某業界紙記者を経て1993年に米国へ移りフリーライター活動を開始。95年に野茂英雄氏がドジャース入りをしたことを契機に本格的にスポーツライターの道を歩む。これまでスポーツ紙や通信社の通信員を務め、MLBをはじめNFL、NBA、NHL、MLS、PGA、ウィンタースポーツ等様々な競技を取材する。フルマラソン完走3回の経験を持ち、時折アスリートの自主トレに参加しトレーニングに励む。モットーは「歌って走れるスポーツライター」。Twitter(http://twitter.com/joshkikuchi)も随時更新中。

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