プロ野球界の“春男”はコイツだ! 新助っ人のタイトル獲得の可能性は!?

ベースボール・タイムズ

2016年の注目はビシエド!?

【ベースボール・タイムズ】

 今年の春を見ても、外国人勢が好スタートを切っている。その中で注目したいのが、4月25日時点で打率3割6分6厘、7本塁打で、ともにリーグトップの成績を残している新外国人のビシエド(中日)だ。果たして来日“即2冠”はあるのか。

 近年、来日1年目で本塁打王に輝いた選手で、ウッズ(03年・横浜、40本)、ブランコ(09年・中日、39本)、バレンティン(11年・ヤクルト、31本)、メヒア(14年・西武、34本)の4選手の月別の打率推移を見ると、どの選手も5月までは好調だが、投手陣からのマークが厳しくなる6月に打率が急降下している。その後も他球団のスコアラーから研究され、対処法、弱点を見つけられる中で、打率低下は避けられなくなっている。

 また、1980年以降に首位打者を獲得した外国人選手の中で、来日1年に首位打者に輝いたのは、92年のハウエル(ヤクルト)ただ一人。13人(マートン、ブランコ、ラミレス、リック、ローズ、パウエル、オマリー、ハウエル、クロマティ、パチョレック、ブーマー、バース、リー)の中で12人が、来日2年目以降に首位打者を獲得していることからも、まだ日本での日常生活にも慣れない状況でヒットを量産し続けるのは、非常に困難であることが分かる。

来日1年目の本塁打王誕生は!?

【ベースボール・タイムズ】

 来日初年度での首位打者の難易度は高い。打撃スタイルだけでなく、過去の事例から考えても、「ビシエド=本塁打王」の方が可能性は高いだろう。

 前項に引き続いてウッズ、ブランコ、バレンティン、メヒアの4人の月別成績を、今度は本塁打数で振り返りたい。すると、ウッズ、バレンティンの場合は、春先から5月にかけてアーチを量産し、夏場にスランプに陥りながらも終盤に盛り返してタイトルを獲得。 ブランコは停滞した打率とは無関係に長打力を如何なく発揮して、5、6、7月と月間8本以上の本塁打を放ち続けた。5月途中からチームに合流したメヒアは、月を追うごとに本数を伸ばし、8月には月間11本塁打をマーク。史上初めてシーズン途中入団からの本塁打王に輝いた。

 さて、ビシエド。開幕3戦連発の鮮烈デビューの後、少々大人しい時期もあったが、4月15日からの6試合で3本塁打と再び上昇気流に乗った。新たな“春男”の襲名から、一気にタイトル獲得なるか。5月以降のビシエドのスイングに、より一層の注目が集まる。

(文:三和直樹、グラフィックデザイン:山崎理美)

2/2ページ

著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント