TAKA&タイチ興行が約1年ぶりに復活 邪道&外道の勝利であわやベルト流出

高木裕美

デスペラードが追放危機を回避

エル・デスペラードは幸運にも(!?)反則勝ちで鈴木軍追放を免れた 【横田修平】

 エル・デスペラードが謎のXとの一騎打ちに臨む「デスペラードチャレンジ2」では、試合前に、もしデスペラードが敗れた場合は鈴木軍を追放される可能性があることが告げられ、場内騒然。デスペラードはこの一戦に賭ける決意を表すかのように、久々となる白いマスク&コスチュームで登場する。

 昨年3月の「デスペラードチャレンジ」では、鈴木軍大将の鈴木みのるが対戦相手を務めたため、今回も大物登場の期待が高まる中、まさかの「パワーホール」のイントロが流れるが、テーマ曲が変わり、登場したのは同じ鈴木軍の飯塚高史。飯塚は得意の場外戦に持ち込むと、リング上でもマスクに手をかける暴挙。再び場外でやり合う間に、場外カウント20が数えられ、一度は両者リングアウトが告げられた。

 しかし、デスペラードが「オレは何が何でも勝たなきゃいけないんだよ。場外カウント無しで再試合だ」と訴えたため、再びゴング。デスペラードは場外マット上でDDTを決めると、ベルトをムチのようにしならせ、飯塚のお株を奪う絞首刑攻撃。勝利への執念を見せ付けるが、場外へ飛ぼうとしたところを飯塚がイスで迎撃し、アイアンフィンガーフロムヘルによる反則裁定が告げられた。

 マット上でダウンしたまま動けないデスペラードに、タイチは「情けなくてかける言葉もない。今日限りで去ってもらおうか…と言いたいところだが、おまえの言う通り、何が何でも勝ったんだよな。反則勝ちだ」と、残留を容認。TAKA、タイチの2人で手を挙げ、健闘をたたえた。

バトルロイヤル優勝の飯塚が大暴れ

最後に登場した飯塚に恐れおののく小陽 【横田修平】

 出場全選手&Xが参加したメインイベントの「お好み焼き としえちゃん杯争奪スペシャルバトルロイヤル」では、賞金30万円をめぐる愛憎劇が勃発した。

 ゴング直後、バンビから奪ったムチをみのるが振り回すと、まるで「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ」に参加した若手芸人のように、逃げ惑う選手たちが次々とオーバーザトップロープ(OTR)で失格。本間が果敢にも挑みかかるが、みのるの腕十字固めにとらえられた瞬間、残った選手たちが一斉に押さえ込み、両者失格となる。

 先ほどの6人タッグで火がついた真霜と杉浦も、やり合ううちにOTRで脱落。小峠は大先輩の小川にタランチュラを仕掛けるが、パートナーの原田が無情にも足をほどいて転落させる。原田はさらにバンビにも容赦なくニーアッパーを繰り出し、会場のブーイングを浴びるも、直後に日向に丸め込まれてあえなく失格。

 ここで再び「パワーホール」が鳴り響くと、長州力……ではなく、体型的には完全に長州小力の長州菊(菊タロー)が現れ、タイチとリング上でタココラ問答。タイチが掟破りのサソリ固めで瞬殺すると、今度はローラーブレードを履いた「光GENBA(平柳玄藩)」が登場。ローラーを履いたままロープに振られた平柳も、フラフラになりながらあっという間に失格。

 出オチが2人続いたところで、ついに飯塚が遅れて登場。TAKAの裏切りでタイチが退場となると、直後にTAKAも飯塚に場外へ投げ捨てられてOTR。最後に残された日向も恐怖のあまり場外へ逃げ出し、1人リングに残った飯塚が優勝となった。

 だが、まだまだ暴れ足りない飯塚は、賞金30万円を渡そうとした大会実行委員長の鳥沢氏をも襲撃。いかにもTAKA&タイチ興行らしい、何でもありのフィナーレとなった。

再会を誓って大会を締める

 TAKA&タイチ興行は一昨年5月16日の山口大会で一旦ひと区切りをつけたものの、今回、10カ月ぶりに復活したということで、観客の期待値もMAX。大会を成功させたTAKAは「もう止めるとは言いません。いつになるか、どこになるか分からないけど、TAKA&タイチでしか見られない面白いカードを組みたい」と、地方大会をも視野に入れた次回大会の開催を約束すると、タイチも「またやろうぜ、じゃあ」と応じ、最後は観客と共に「TAKA&タイチ2番、ワハハハハ、あーあ」で締めた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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