らしくない戦い方が続くバルセロナ アウェー戦で見せた専守防衛の姿勢
守備面で混乱に陥ったバルセロナ
ピケの欠場がバルセロナに与えた影響は大きかった 【写真:なかしまだいすけ/アフロ】
とはいえ、マラガやアスレティック・ビルバオがとりわけアウェーでは毎回苦戦を強いられる相手であるということを考慮しても、バルセロナがここまで守備面で大混乱に陥ることは滅多にない。
選手たちから見て取れた迷いに加えて、これらの試合では必要以上に守備ラインを下げ、いつものようにボールを保持しながら動かすのではなく、相手にボールを持たせた上で跳ね返す戦い方に傾倒している印象も受けた。
サン・マメスでのアスレティック・ビルバオ戦では、驚くべきことにセルヒオ・ブスケッツやアンドレス・イニエスタがマルク=アンドレ・テアシュテーゲンのすぐ近くまで下がってボールを受け、うまくマークを外した選手、もしくは前線で良い状況にある選手を探してパスをつなぐのではなく、単純にロングボールを蹴り出してマイボールを放棄するシーンが目に付いた。
だが、後方からの組み立てがスムーズにできなければ、前線に良い形でボールを届けることはできない。結果としてメッシは中盤に下がりボールをさばくといったプレーが増え、前線での存在感が薄れることになった。それでもこれまで結果を出せずにいたムニル・エル・ハダディが重要なゴールを決めることで、何とか帳尻を合わせることはできたのだが。
ここ数試合の傾向は一時的なものだと考えたいが……
バルセロナは今後もMSNを中心とした輝かしい攻撃を見せてくれるだろうか? 【写真:ロイター/アフロ】
願わくば、ここ数試合のバルセロナに見られた傾向は、フットボールにおいてはしばしば起こり得る一時的な現象に過ぎないものだと考えたい。
きっと今後もバルセロナはMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールで形成される3トップ)を中心とした輝かしい攻撃によって、われわれを魅了し続けてくれるはずなのだ、と。
(翻訳:工藤拓)