男子バレーは数学の発想で楽しむべし 山本隆弘が語るバレーW杯の観戦ポイント
清水の頑張りに懸かっている
キャプテンとして、そしてエースとして臨む清水に、日本の勝利は懸かっている 【坂本清】
キャプテンとして臨む清水選手は、以前はガムシャラに勝負する場面が目立ちましたが、若手も増えたことで周りを見てプレーするようになり、攻撃のスタイルにも変化が見られます。「全部自分が勝負しなくていい」と、強打一辺倒ではなく、力を抜いて落とすところは落とす、相手のブロックをうまく利用するなど、余裕が見られるようになりました。キャプテンマークを付けているだけでなく、五輪の経験者がこのチームには清水選手しかいません。オポジットというのはプレッシャーもかかるポジションですが、他が倒れても自分だけは地に足をつけて立っていなければならないポジションでもあります。清水選手の頑張りに、日本の勝利が懸かっていると言っても過言ではありません。
「NEXT4」に期待すること
「NEXT4」と呼ばれる若手の4人(左から高橋健太郎、石川祐希、柳田将洋、山内晶大) 【坂本清】
柳田選手も石川選手と同様に、攻撃とサーブレシーブの両面で活躍が期待される選手です。乗った時は非常にいいのですが、攻撃面に関して、時折、勢いでコースを決め打ちしてしまうケースも目立つのが現時点では課題ですが、彼の武器は何といってもサーブ。「自分が試合を決める」という気持ちで思い切り打ってほしいですね。
石川、柳田選手と同様に昨年から試合出場の機会を得たミドルブロッカーの山内選手はAクイックの精度も良くなり、Bクイックも習得し、攻撃面に関しては計算できるようになってきました。チーム1の高さ(204センチ)がある選手ですので、ブロックに関してはすべて止めに行こうとするのではなく、ある程度割り切って、行けるところは行く、抜けたところはレシーブに頼む、という気持ちで臨めばさらに良くなるのではないでしょうか。
高橋選手は「NEXT4」と言われながら、けがでプレーできない悔しさを抱えてきました。もともとガッツのある選手で私自身もとても将来が楽しみな選手ですし、2枚替えで出場する機会も増えるでしょう。そこで「清水選手に負けない」という気持ちを持ってプレーすることで、もっと成長する。高橋選手が成長すればするほど、清水選手にとっても刺激になります。オポジットとして切磋琢磨(せっさたくま)し合ってくれることを期待しています。
鍵は2戦目の米国戦
出場国は強豪ぞろいだが、取り組んできたことを信じて貫ければ勝機はある 【坂本清】
日本よりもランキング、実力共に上回るチームではありますが、日本もこれまで取り組んできたことを信じて貫ければ勝機はある。その後はオーストラリア、カナダと米国と似たスタイルのチームとの対戦が続きます。なので、米国戦をどう戦うことができるかというのが1つのポイントになるのではないでしょうか。