錦織圭まさかの全米オープン初戦敗退をベイビーステップのエーちゃんが分析!

意識してしまう最大目標を意識しない方法

丸尾 錦織はどうやって「優勝を意識しないように、目の前の自分のテニスに集中」しようとしてたんですかね。

青井 実際どうしてたかは本人に聞かなきゃわからないが、よく言われるメンタルトレーニングで、きっと錦織もワウリンカもやっているだろうことは、「事前に決勝までのイメージを明確にしておく」ことじゃないかな

丸尾 え? それじゃむしろ意識してしまってるじゃないですか?

青井 試合前までにコート外でな。そうすることで試合中コート内で意識しないで済むように、優勝までの2週間の道のりを明確にイメージしておくんだ。例えば、2週間の長丁場のどの辺で疲れがくるから、そこをどうやって乗り越えるとか、そのためにはどこまで失セットを少なく勝ち上がるとか、できるだけ具体的にな。もちろんその通りにいかないのは承知の上で、試合間ごとに修正していく。そのイメージは具体的であればあるほど現実に近づきやすくなって、目の前だけを意識してる時の行動も、よりイメージの方向に近づくと言われてるんだ。

丸尾 なるほど……自分の試合の中では、井出くんとの試合で重圧を活かすために不安要素を具体的にした時に近いかもしれません。どうしても意識してしまう最大目標を意識しないようにして、そこに向けて自分のテニスに集中するなんて……考えただけでも難しそうです。

関東ジュニアテニス大会の井出戦で、重圧を消すイメージをするエーちゃん 【(C)『ベイビーステップ』勝木光/講談社】

青井 まあ実際トッププロはもっといろんな方法でメンタル強化をしてるだろうけどな。それでも世界的な注目選手やシード選手にとってのグランドスラム。特に1回戦ってのは相当難しいってことなんだろうな。

やっぱり悔しいけど……

丸尾 そういう試練を経験している日本人がいるってだけですごいことですけどね。それにしても錦織はかなりいいテニスをしていただけに……悔しいです。

青井 勝負でタラレバを言っちゃいかんが、ここを突破してればかなりいった気がするだけにな。

丸尾 はい……あ、だけどいいデータもあります!

青井 ほう、何だ?

丸尾 錦織は2013年の全米オープン1回戦負けの後から一気に強くなっているんです。翌年の2014年5月についに自身初のTOP10入りを果たして、その年にマスターズとグランドスラム(全米)でファイナルに進出。ツアーファイナルでベスト4入りも果たし、最終的に世界ランキングを5位まで上昇させています。

青井 なるほど、データによればここから来年にかけては、相当期待できるってわけだ。

丸尾 そういうことです!

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