ガリガリ君の青色は「地球最古の藻」! “流行食材”スーパーフードって何?

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【Getty Images】

 ココナッツオイルやアサイー、カムカムにチアシード――。ちょっと気になる話題の“流行”食材。あなたはとりあえず試してみるタイプですか? ちょっと様子を見るタイプですか?

 日本では美容に興味が高い女性たちを中心に注目が高まることが多い、「スーパーフード」と呼ばれるこれらの食材。美容に良いということは、体に良いということでは!? スポーツ・健康産業総合展示会「SPORTEC2015(スポルテック2015)」(7月28日〜30日、東京ビッグサイト)で、一般社団法人日本スーパーフード協会の森弘子アカデミー副校長のセミナーに出席。あらためてスーパーフードのパワーを聞いてきました。

「スーパーフード」って何?

 「スーパーフード」というのは、簡単に説明すると栄養価が高い食材の総称で、最近ではココナッツオイルやアサイーが流行、定番化しています。なじみのあるものでは、チョコレートの原材料カカオもスーパーフードのひとつ。
 メディアで話題になる際には、分かりやすく「ダイエットに良い」「便秘解消に良い」「美肌におすすめ」などと、期待される効果を紹介されることが多いですね。

ガリガリ君、青色の正体はスーパーフード!

 では、早速ですが代表的なスーパーフードをいくつかご紹介します。まずは、知っている人は知っている? でも、たぶん初耳の人が多そうな3種類の食材です。

■スピルリナ……高タンパク食材 NASAも注目
 アイスキャンディー「ガリガリ君」ソーダ味の青色の元! 地球最古の藻の一種で、30億年前に誕生した植物。タンパク質が豊富で含有量は約60〜70%とも。「畑の肉」と言われる大豆が約35%なので、かなり高いタンパク質含有量です。栄養バランスに優れているため、NASA(米国航空宇宙局)は宇宙食として研究、国連では難民用食材として使用されているそう。このスピルリナから抽出される青色色素を元に、ガリガリ君の水色が作られています。スゴいものを使っていますねぇ。
 ちなみに、記事の表紙写真はグリーンのスピルリナパウダーです。スピルリナからは、「緑、青、赤、黄」の植物由来の着色料がとれるそうですよ。

■ブロッコリースーパースプラウト……がん予防研究の過程で開発
 ブロッコリーの新芽。がん予防研究の過程で開発された機能性野菜で、解毒作用や抗酸化作用に優れたスルフォラファンを成熟ブロッコリーの20倍以上含みます。見た目はかいわれ大根に似ています。食べ方は、サラダや炒め物、サンドイッチの具材など、普段の料理に取り入れやすい食材です。

■ビーポーレン……蜜と花粉からできたスーパーフード
 ミツバチの集めた蜜と花粉を、ミツバチ自身の酵素で丸めたもの。タンパク質が豊富で、ビタミン、ミネラル、酵素なども多く含みます。栄養価が高い食材ですが、花粉を含むのでアレルギー体質の方はご注意を。

今流行&これからブーム?……話題の食材

日本でも定番化しつつあるアサイードリンク 【スポーツナビDo】

 昨年から今年にかけて流行しているのが「ココナッツオイル」。一般のスーパーマーケットでも見かけます。その前に流行したアサイーは、今や普通にお店のドリンク棚に各種商品が並んでいますね。そんな今流行&これからブームがくるかも知れない4種類の食材のパワーは?

■ココナッツ……むくみ解消、体脂肪の蓄積予防に
 カリウムが豊富でむくみ解消に良い。ココナッツウォーターは浸透が早く、天然のスポーツ飲料とも呼ばれています。最近では“ココナッツオイル”がブームに。体脂肪として蓄積しにくい中鎖脂肪酸が多く含まれています。

■アサイー……栄養素たっぷり「奇跡のフルーツ」
 目に効く成分としても知られ、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種アントシアニンが豊富。ブルーベリーの約5倍近くあるとか。ほかにも、鉄分、食物繊維、カルシウム、ビタミンEが多く含まれており、「奇跡のフルーツ」とも言われます。“アサイーボウル”でも有名に。

パッケージ化されたチアシード。乾燥状態では粒状の種ですが、水分を含むとゼリー状に変化するそう 【スポーツナビDo】

■チアシード……便秘解消、ダイエットに
 グルコマンナンという食物繊維を含み便秘解消に良い。タンパク質も豊富で、浸水させると10倍くらいに膨らむため満腹感を得られやすく、ダイエット時におすすめの食材です。抗酸化作用があるので、美肌やスポーツで疲労した体にも良い。名前を聞いたことがある人も多いかも知れません。今回の展示会会場でもいくつか商品を見かけました。美容に興味のある女性たちだけでなく、これからもっと一般化するかも?

チアシードのドリンク 【スポーツナビDo】

■麻の実(ヘンプ)……血流改善や動脈硬化の予防に
 現代人に不足しがちなαリノレン酸(血流改善や動脈硬化の予防に効果的)を多く含み、タンパク質、マグネシウムを多く含む食材。ゴマのような形状なので、料理にふりかけて使用できる。こちらも知っている人は知っていますね!

流行から定番へ おなじみ食材の“力”

 スーパーフードの中には、日本でも流行から定番化した食材がいくつもあります。ここでは4種類をご紹介します。

■カムカム(ヘンプシード)……ビタミンCがレモンの54倍
 ビタミンCの含有量が豊富! レモンの54倍、アセロラの2倍というデータも。ビタミンCだけでは得られない、強い抗酸化作用を持つ成分も含んでいるとか。

■マカ……ホルモンバランスの調整に 生食は輸出禁止
 ピリ辛の味が特徴で、お菓子にも使われる食材。鉄分、カルシウムなど女性に不足しがちなミネラルを含有し、必須アミノ酸のアルギニンが豊富。ホルモンバランスを整えるため、冷え性や生理不順、肌の調整にも効果的だとか。原産国ペルーにとって貴重な商品のため、生食としてのマカは輸出禁止だそう。

■クコの実(ゴジベリー)……皮膚と粘膜にヨシ!
 赤いドライフルーツ。ビタミンAが豊富で皮膚と粘膜を健康に保ちます。薬膳でも使われ、滋養強壮、血行促進などに良い食材。アジア料理のデザートに入っていることも。

■カカオ……集中力アップ、美肌にも◎
 チョコレートの原材料として有名ですね。苦味成分のテオブロミンが脳を刺激して、集中力を高めたり、自律神経を調整して、リラックスさせる効果がある。肌をキレイにする力も。

「植物ゆえの潜在力があるのがスーパーフード」

 アサイーやカムカムはデザートやドリンクとして発売されていますし、クコの実もアジア料理のデザートに入っていることがあります。でも、ガリガリ君の色にもスーパーフード食材が使われていたとは! それを考えたら、知らないところで自然と口にしているものなのかもしれませんね。
 食品加工されたもの以外では、何にでも混ぜられるようにな形(パウダー状、ペースト状、液状など)になったものも発売されています。

 セミナーで講義をした森副校長は、普段の栄養摂取にスーパーフードを含めた食事はもちろんサプリメントも活用しているとのこと。その上で、「食材にはまだまだ研究で解明されていない部分も多いです。だから今は分かっていない(栄養素などの)“力”が、体に良い影響を及ぼしていることもある。植物ゆえの潜在力があるのがスーパーフードなんです」と、サプリメントだけでなく、食材から栄養を取ることのメリットを説明してくれました。スーパーフードの良さは「食材として楽しみつつ、高濃度の栄養素を摂取できること」とも。

 流行を楽しむつもりで新しい食材にトライ。それが健康、美肌、ダイエットにつながり、料理のレパートリーも増やせたら……いいんですけど!

(取材・文:小川麻由子/スポーツナビ)
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著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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