ささみと押し麦のさっぱり塩レモンスープ 体が喜ぶ22時スープ(5)

村山彩

味付けの引き出しを増やそう

 今回は、スープの味付けに塩レモンとナンプラーを使ってみました。料理をする時、味付けがマンネリ化しやすいという悩みをお持ちの方がいるのではないかと思います。スープですと、調味料は和風なら味噌、洋風ならブイヨン、あとは何だろう……と考えてしまう方もいるのではないでしょうか? マンネリは料理の継続性を妨げますので、味付けの引き出しを増やしたいですよね。

 ナンプラーはタイ料理というイメージがあると思いますが、意外と何にでも合うんですよ。ナンプラーは魚醤(ぎょしょう)とも呼ばれ、小魚を塩漬け発行させたものです。分解すると魚と塩ですので、大豆と塩からできている醤油と「たんぱく質」+「塩」という意味では似ています。ベトナム料理のニョクナムも同じですね。

 ナンプラーは使う機会が限られ残ってしまうという方は、醤油と同じような使い方ができるんだ、と柔軟に考えて、いろいろな食材に試していただいてもいいかもしれません。

塩レモンは万能な調味料

【村山彩】

 モロッコ発祥の塩レモンも持っているだけでバリエーションが広がる調味料です。漬け方は、レモンの数量の10分の1のあら塩を入れるだけ。今回は、スライスしたレモン3個に対し、50gのあら塩を入れて漬けました。徐々に水分が出てきて、酸味や塩分がまろやかになっていきますので、1週間くらい置いたら、あとはお好みの頃合いで使っていただければOK。味が変わっていく過程も楽しみながら、漬けていただけるといいと思います。
 クエン酸は疲労回復にも効果がありますし、さっぱりとした味付けになるので、夏にぴったりですね。注意点としては、皮をそのまま使いますので、無農薬のものを選んでいただいた方がいいかと思います。

 レモンはどうしても余りがちですので、簡単に作れて保存のきく塩レモンはとても便利です。塩+酸味ですので、塩の感覚で使っていただくと意外と活用範囲が広いですよ。鶏のソテーなどの炒め物、冷奴に乗せる、きゅうりと和える、カルパッチョ、パスタ、ピラフ、塩むすびの感覚でご飯に乗せるだけ……。積極的に試してみていただければと思います。

カラフル野菜で目でも楽しむ

【Getty Images】

 今回は糖質に押し麦を使いました。押し麦は大麦をつぶしたもので、調理時間を省いたり、消化しやすいという利点があります。麦は世界最古の穀物と言われており、栄養価も高いので、白米や玄米のほかに糖質を摂取するバリエーションとして楽しんでいただければと思います。押し麦は白米と柔らかさが似ていて合うので、私は日ごろ、白米と押し麦を一緒に炊いて食べています。
 たんぱく質としては、今回は鶏のささみをチョイスしました。ささみが「高たんぱく、低脂質」というのはよく知られていますね。夜食べるスープには、低脂質のささみが向いていますし、油を使わずに調理できるのでオススメです。先月ご紹介した鶏むね肉とともに低脂質のお肉は重宝しますので、私は冷凍して常備しています。

 野菜はズッキーニ、パプリカ、トマトと旬のものを。食べ物は味覚だけでなく、五感を喜ばせて食べるほうが美味しいと思います。夜帰ってきて元気になるように、緑、黄色、赤と3色、カラフルな色のものを選びました。ビタミンCの含有量が豊富な野菜なので、スープにすると栄養がそのまま摂れますね。

 今回のスープで使用した塩レモンは疲労回復効果のあるクエン酸が含まれていますし、ナンプラーも塩レモンもさっぱりしていて、汗をかいて失われる塩分を簡単に摂取できるので、この季節に嬉しい調味料です。ぜひ、活用してみてください。

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著者プロフィール

食欲コンサルタント、日本初のアスリートフードマイスター、野菜ソムリエ。2012年7月、館山トライアスロン総合優勝。2014年 ironman 70.3 台湾エイジ優勝 。現役トライアスリートとしての知識と経験を生かし、プロアスリートやアマチュアランナーへ食事指導と運動指導を行っている。そのほか、テレビ、雑誌、ラジオ、イベントを通じてランニングと食事についての幅広い活動を行う。13年12月に『あなたは半年前に食べたものでできている』、15年2月に『あなたは半年前に食べたものでできている 実践編』(ともにサンマーク出版)を上梓

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