62歳リーアム・ニーソンのトレーニング 演技派からアクションスターへ

猿渡由紀

【(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.】

『誘拐の掟』より 【(C)2014 TOMBSTONES MOVIE HOLDINGS.LLC.】

 62歳のリーアム・ニーソンは、今日のハリウッドを代表するアクションスターだ。おもしろいことに、その肩書きを得たのは、50代になってからのこと。『シンドラーのリスト』(1993)、『マイケル・コリンズ』(96)など、シリアスな演技派として知られてきた彼は、比較的低予算の『96時間』(2008)で、初めてアクション映画の主役に挑戦したのである。

「アクションをやらせてもらえる機会なんか、それまでなかったし、3カ月パリで撮影するというのもいいなと思って」と主演に承諾したものの、内心では、「ストーリーはシンプルで、少しB級映画っぽいから、DVDスルーになるかもしれないとも思っていた」とニーソンは告白する。

 しかし、映画は全世界で大ヒットし、その後、彼には『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(10)、『アンノウン』(11)、『THE GREY 凍える太陽』『バトルシップ』(ともに12)、『フライト・ゲーム』(14)、そして『96時間』の続編2本など、アクションのオファーが押し寄せることになる。

 5月に日本公開されるニーソンの主演作2本『誘拐の掟』(14)と『ラン・オールナイト』(15)も、アクションスリラーだ。「出させてもらえる限り、アクション映画にはこれからも出演していきたい」というニーソンに、日頃のワークアウトを聞いた。

パワーウォークや腹筋などベーシックな運動を毎日

『ラン・オールナイト』プレミアより 【(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.】

「1日何時間もジムに入り浸ったりはしないよ」というニーソンが主に運動の場として使うのは、ニューヨークのセントラルパーク。

「雨の日も、雪の日も、それ用の服はもっているから、さぼらない。ジョギングじゃなくて、あくまでパワーウォーク、つまり早歩きだ。毎日、8マイル(約13km)歩くよ」

 ロケでニューヨークを離れる時は、ホテルの部屋でシンプルなことを実践する。

「腹筋、腕立て伏せなど、場所をとらずにできることは、たくさんある。毎日、何らかの運動をすることが大事なんだ。とくに、アクション映画の主演を務める時は、大きな責任がつきまとう。長時間にわたって良い仕事をし続けるためにはスタミナが必要。日頃から体力をつけて、睡眠をたっぷり取り、体を最高の状態に持っていかなければ」

 アウトドア好きのニーソンは、最近、息子と一緒にユタでハードな山登りも経験した。

「3,000フィート(914m)くらいの高さの山だよ。傾斜がすごく激しくて、下を見るなと言われたりした。僕はもともと、少し高所恐怖症なんだが、息子がやりたがったから、やってみようと決めたのさ」

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著者プロフィール

月刊女性誌編集者を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスターのインタビューや映画の撮影現場レポートなどを、日本の雑誌、新聞、オンライン媒体に寄稿する。フィットネスへの関心も高く、渡米直後から毎日ジム通いを開始。ここ10年ほどはアシュタンガヨガに専念しているが、ワークアウトのトレンドはもとより、健康、運動一般に関する新しい情報には、常にアンテナを張っている

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