運命共同体となりつつあるバスケ界に期待 “bjリーグの声”に対する世間の反応
タスクフォースに対する対立軸
川淵チェアマンは5千人以上収容のホームアリーナの確保を新リーグ参入の条件としている 【スポーツナビ】
今もbjリーグを引っ張っているのは沖縄、秋田と言った“地方”のチーム。地上波のテレビ局、県紙で大きく扱ってもらえることは、大都市圏のチームにないアドバンテージでもある。もちろん地方が盛り上がらなければ、新リーグの成功もない。
またそのような対立軸はあったとしても、それを理由に構想が振り出しに戻るということはないだろう。4月3日の時点では47チーム中24チームが新リーグ(一般社団法人ジャパンプロフェッショナルバスケットボールリーグ)への入会届を出している。なお「所属リーグに退会届を提出済みであること」が申込の条件となっていたため、彼らはもう完全に次のステージに飛び出したということだ。川淵チェアマンはこのような動きについて「順調だね。退団届を出すようなところで、ひと悶着あるかもしれないなという不安があった。思っていたほどガタガタしなかった」と安堵の表情を見せる。
一丸となりつつあるバスケファミリー
タスクフォースの最終ミーティングは5月下旬。もう2カ月を切り、議論は最終段階に入った。方向性も定まり、確かな成果が出つつある。もちろん大切なのはそこからの審査、運営だ。川淵チェアマンは「7月いっぱいにはチームの参加が全部決まりますし、方向性も決まります。今年8月くらいに理事、委員会、その他のしっかりした組織になる」とタイムスケジュールを説明する。
昨年11月27日のFIBAによる制裁処分、今年1月28日の第1回タスクフォースから、短期間で日本バスケは一変した。「プロかアマか」「ドラフトとサラリーキャップをどうするか」という大枠の議論は一気に片付き、議論は具体的な方向に進んでいる。もちろん課題や不安がすべて消えたということではない。しかし大切なのは、bjリーグも含めた47チームがこの議論に参加し、当事者性を持ち、運命共同体としてつながったことだ。ガバナンスは統治する側、統治される側の双方が合って成り立つものだが、この3カ月足らずでそこの断絶は随分と狭まった。バスケ界が意見の相違や、難題に見舞われることは今後もあるだろう。しかし一体となって議論し、決まったらそれに従うというベースがあれば、壁を乗り越えて行けるはずだ。