豪州・WSWに渡った2人の日本人 高萩と田中に求められる“二面作戦”
加入直後から存在感を発揮
田中は右SBのレギュラーポジションを獲得。鹿島戦も先発が濃厚だ 【Getty Images】
一方の田中も合流後すぐにその実力を認められ、右SBのレギュラーポジションを獲得。アジアカップ中断明けから3試合連続でのフル出場を果たした。直近となる21日の第18節アデレード・ユナイテッド戦は、それまで3戦にフル出場ということもあり、過密日程を考慮してのベンチ外となった。これで、大事なACL初戦の先発の座はほぼ確定。今後も間違いなくチームの主力として活躍していくに違いない。
過密日程に悩まされ国内リーグでは不調
そうなるとWSWの現実的な目標は、レギュラーシーズンの6位以内に与えられるファイナル・シリーズの出場権争いに何とか食い込むことにシフトする。現在6位のブリスベン・ロアーとの勝ち点差は13。こちらも厳しいが充分に達成可能な目標となる。加入当初は、ACLのみの契約という発表だった2人だが、クラブが1月の移籍期間中に外国人枠選手を整理したことで、共にAリーグでプレー可能なフル契約に切り替えられた。ということは、当然ながらクラブは2人にAリーグとACLのいずれでも最大限の貢献を見せることを期待している。そんな自らの置かれた状況は、彼らも十分に承知しているだろう。
真価を問われる「シドニー・ダービー」
WSWは、25日の鹿島戦後にとんぼ返りで帰国。28日にホームでシドニーFCとの「シドニー・ダービー」に臨む。かつて、このシドニー・ダービーを何度となく体験した小野をして「このホームでの(シドニー・)ダービーの雰囲気は格別」と言わしめた大舞台で、高萩洋次郎、田中裕介という2人の侍フットボーラ−はその真価を問われることになる。強敵シドニーFCとの大一番で、2人の四股を踏む相撲パフォーマンスが見られれば、Aリーグ随一と称される熱いサポーターで満員に膨れ上がった本拠地パーテック・スタジアムは大いに沸く。そして、そのゴールこそWSWの反転攻勢の狼煙(のろし)となるに違いない。