ゼロから始めるランニング(4) 実録!ラン経験0から42km完走まで

スポーツナビDo

3カ月目 10km走イベントに挑戦!

【スポーツナビDo】

 走り始めたのは1カ月後から。「時間にして15分〜20分、距離にして2kmぐらいからスタートしました」と内田先生。2カ月目には5km程度まで距離が延び、だいたい週2日〜3日のペースで走っていたという。

 そして、3カ月目に1つのポイントを作った。それが10kmのランニングイベントへの出場だ。ただ、それまでのトレーニングで走った最長距離は7km。

「大会でちょっと高い目標を持たせてあげないと、自分で限界を作ってしまうんですよ。10kmという今まで走ったことのない距離だから不安に思うかもしれませんが、結局は走れてしまうんです」
 10km走イベントを無事クリアした後は、徐々に距離を延ばし、走るスピードも伸ばしていき、「そのころになるとコンスタントに6、7kmは走っていました。そして、体重もスムーズに減りだしたので、走ることが面白くなってきましたね」。さらに週2日〜3日の練習のうち、1日をロングランの日に設定した。

「これはゆっくりと10km以上を走る練習です。このあたりでLSD(ロング・スロー・ディスタンス、ジョギングレベルで息が乱れないように、長い時間、ゆっくりゆるーく走ること)を設けないと、やはりマラソンは走れませんから」

半年経過 いよいよハーフマラソンに

 トレーニング開始から半年後、1つの山場を迎えた。それがハーフマラソンへの挑戦だ。

 それまで走った最長距離は15km。だが、それも「大会で少し高い目標を持たせる」という内田先生の指導方針によるもので、本番では2時間30分弱で見事にハーフをクリアした。

 その後は、時速9km(1km7分程度)くらいのスピードで6km〜7kmのランニングを継続。走る日は変わらず週2日〜3日で、そのうちの1日をゆっくりと15km前後走るLSDに充てた。この期間も、体重はスムーズに減っていったという。

 さらに、これまでと違ったのは「筋トレを導入し始めた」こと。フルマラソンを完走するための体づくりのため、肩と股関節のトレーニング、体幹トレーニングをメニューに加えたという。

10カ月目 ついにフルマラソン出場

女性Aさんと伴走したハーフ、フルマラソンの完走証 【スポーツナビDo】

 ランニング経験ゼロからトレーニングを始めて10カ月目。ついにフルマラソン挑戦の日がやってきた。

「最初のハーフマラソンから1カ月後にもう1度ハーフマラソンを走り、その3カ月後くらいにフルマラソンの大会に出場しました。ハーフの後はLSDの距離も延ばしていき、最長で東京駅から横浜駅間ほど、距離にして30kmちょっとは走っていましたね」

 内田先生が伴走を務める中、女性Aさんは初めてのフルマラソンを5時間半で見事に完走。まったくの未経験からおよそ10カ月でたどり着いたゴールだった。

「この女性はその後も引き続き楽しんでランニングをしているみたいですね。筋肉の量を維持しながら8キロ痩せましたし、フルマラソン完走とダイエットと2つの目的を達成することができました」

ランニングを続けるコツは?

【スポーツナビDo】

 フルマラソン42.195kmを“ただ完走するだけ”だったら、ろくに練習をしなくても可能かもしれない。しかし、「しっかりとした運動効果、ダイエット効果を求めるなら、やはり9カ月〜10カ月かけた方がいいですね」と内田先生。随分長い道のりにも思えますが、考え方を変えれば、1年かからずに健康的にフルマラソンを完走できるようになるということ。今からランニングを始めれば、年末のホノルルマラソンや、来年の東京マラソンには十分に間に合います!
 最後に、3日坊主で終わらないようにランニングを続けるためのコツ・秘訣を、内田先生に聞いてみました。

「例えば、走った後の晩酌のことだけを考えて走りきるか、もしくはそういったことを一切思わないで走ることに集中するかのどちらかだと思います。また、疲れたら歩く、もしくは止める。マラソンブームに必要以上に乗らず、マラソンしている自分をカッコいいと思わないことですね。“走る”という人間が本来持っている素晴らしい天性の才能を、マラソンという“長い時間走る活動”をして目覚めさせ、改めて確認するのがマラソンですから、特にカッコいいわけではないんです」

 さらに、ダイエット目的で走ろうと思っている人にはこんなアドバイスも送ってくれました。

「継続のコツは、体にフィットした服を着て人に見てもらうことです。やはり人間は羞恥心を突かれるのがイヤなものですから、特に異性とたくさん会うような人気のマラソンコースを定期的に走った方がいいと思いますよ」

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

内田英利(うちだ・ひでとし)

1971年生まれ。茨城県出身。日本大学卒。在学中に運動生理学などを学び、その後、米国の栄養修士課程を経る。日本成人病予防協会認定講師。全米エクササイズ&スポーツトレーナーズ協会(NESTA)認定講師。現在は女性や高齢者向けの生活習慣病予防プログラムの開発、企業での講演活動・運動指導、トレーナー育成などを行う。フィットネス施設の運営などを行う「フィットネス・ゼロ」代表取締役。パーソナル・フィットネススタジオ「コア・フォレスト」運営責任者。貴乃花親方が考案・監修した貴流運動法を「シコアサイズ」として共同開発。
フルマラソン歴13年、マラソン指導歴7年。ベストタイムは2時間45分01秒。

取材協力 コアフォレスト

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著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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