不調の原因はグリップにあり! 好調時のゴルフを取り戻す秘策とは
トッププロ御用達! 石川遼くんもこのドリルで修正
【イラスト:アカハナドラゴン】
自分では力を入れていないつもりでも、実はすごく力を入れてグリップを握っている場合があります。そんな時、自分に合ったベストの力加減を分からせてくれる練習法なのです。
【イラスト:アカハナドラゴン】
実際にトライしてみると分かりますが、タオルがフワフワして強く握れません。手首にも力が入らず、クラブは不安定でブラブラしていると感じるでしょう。ですが、それが正しい力加減です。
普段の練習からこのドリルを取り入れておけば、やわらかいグリップの感覚が身体に染み込みます。また、コースでのラウンドにおいては、お昼ご飯を食べた後の休憩中など、時間を見つけて素振りだけでもいいのでやってみると、午後からのラウンドで見違えるようなショットが出るでしょう。
練習場ではアプローチ練習、コースではロングホールで修正
人間は、半分の力にしようと思うとぴったり50%の力で握ることは難しいかもしれませんが、60〜70%くらいの力では握れます。そのくらいのやわらかさがゴルフには必要です。これは練習場でも、コースでも同じです。そこで最後に、練習場、コース、それぞれの「やわらかいグリップの感覚を身につける(取り戻す)ための方法」を紹介しましょう。
まずは練習場から。打球の練習をするときは、アプローチをゆっくり行ないましょう。不安のない距離のアプローチから練習すると、飛ばそうとしないためグリップをやわらかく握れるからです。
ラウンド前の練習でも非常に有効です。練習せずにラウンドをスタートして、ティーショットを失敗した経験のあるゴルファーは多いと思います。これはティーショットで力が入ってしまったことが原因です。一度力が入ってしまうと、なかなか抜けないものです。
そこで、あらかじめスタート前の練習場では40%くらいの力でグリップしましょう。こうしてスタートすると、コースではちょうどよく60%くらいの感覚でグリップできるようになります。練習場での練習は、ナイスショットを打つことが目的ではなく、リズムの確認とグリップの力を抜くことを目的としたほうが効果的でしょう。
一方、コースでは、一度スタートしてしまっているので、練習場のようなことはできません。しかしラウンド中、急にスイングの調子が悪くなることはよくあります。そんな時はやはり、グリップの力みが原因になっている場合が多く、やわらかいグリップに戻す必要があります。
これを、ラウンドの間に修正するのはとても難しいことです。ただ、ひとつだけ力を抜ける場面があります。それは、ロングホールに来たときです。ティーショットがうまくいったら、セカンドショットは3番ウッド(スプーン)や5番ウッド(クリーク)などで飛ばしたいと思うものですが、調子が落ちてきたそんなときには7番アイアンなど短いクラブで距離を欲張らずに力を抜いて振っていくのです。
なぜ、ロングホールのセカンドが修正するのにいいタイミングなのか。それは、短いクラブで打つということは、グリーンを狙って打たなくなるからです。少々曲がってもいいから、安心して振っていけるわけです。逆に、短いクラブであっても、ショートホールで「あそこを狙うぞ」と思っていたら力が入ってしまいます。
短めのクラブで力を抜く。距離も飛ばさなくていいので欲張らない。そこで成功すると次からそのテンション(やわらかい握り)で振っていけます。脳が「この力加減でも打てるんだ」と思って回復するからです。これは、プロゴルファーも実践していることです。このような工夫がラウンドでは大切になってくるでしょう。
(イラスト:アカハナドラゴン)
指導者プロフィール:松吉信(まつよし・まこと)
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