「空白の2年」を経て成長した山中亮平 代表復帰「僕だけの経験をプラスに」
ニュージーランドでつかんだ自信
ニュージーランドで世界トップレベルに触れ、自信をつかんだ 【斉藤健仁】
かつてタックルにやや難があった山中はもういない。2011年まで4年間、南アフリカ代表のアシスタントコーチを務め、今シーズンから神戸製鋼を指揮するギャリー・ゴールドHCも「体もあって良いディフェンダーだし、パスもうまくスピードもある。左利きのキックもチームにオプションを与える万能選手」と称える。日本に戻った山中は、神戸製鋼の12番としてプレーし、開幕から5連勝に貢献した。
エディーHC「機会があれば15番も」
エディー・ジョーンズHC(左・背中)は複数ポジションでの活躍を期待している 【斉藤健仁】
日本代表の合宿のメンバーに選出され「びっくりした」という山中は、桜のエンブレムの付いた練習着を身につけて「懐かしい感じがして、素直にうれしかった」という。「指揮官も代わって新しいことばかりですが、(以前と違って)僕より年下の選手もたくさんいてやりやすい」と意気込みつつ、時折、1本目のセンターとして練習に精を出していた。
「ヤマナカ、マッスグ」、「ヤマナカ、OK」と声をかけていたジョーンズHCは「山中はフィジカルをもっと強化しないとインターナショナルレベルで通用しないと思うが、パススキルも高いし、左足でキックもでき、スペースがどこにあるか見極められる。控えとして10番、12番をカバーでき、機会があれば15番としても試したい」と一定の評価を与えた。
止まっていた時間が再び動き出す
パスを出す山中。「選ばれたからには来年のワールドカップに出たい気持ちはあります」 【斉藤健仁】
楕円球から離れた時期、試合に出られないシーズン、そして王国への留学を経て、山中は少しやんちゃだった青年から、勇敢なフットボーラーへと成長しつつある。再び、桜のジャージー、そして世界最高の舞台へ――、1キャップで止まっていた時が、再び動き出した。