カバディ、アジア一という世界一への挑戦 アジア大会オススメ競技をDoしてみた(6)

スポーツナビDo

男子には体重制限、85キロ以下

 競技の基本ルールはこうだ。1チームは7人。バドミントンより少し広めのコートで20分ハーフ(女子は15分)を戦い、得点の多い方が勝つ。男子には体重制限があり85キロ以下でなくてはならない。レイド(攻撃)の際は1人。アンティ(守備)はチームワーク。敵陣に単身乗り込み、相手選手に触れて自陣に戻ることができれば、得点となる。

「カバディの魅力のひとつは、個人競技と団体競技の両方の魅力を兼ね備えているところでしょうね。レイドのときは群がるアンティとのかけひきで個人プレーでポイントを狙い、攻守交代で守備側にまわればチームメートと連携してレイドの動きを封じる。この感覚がほかの競技にはないかもしれません」(河合事務局長)



 競技用に強化練習が行なわれている体育館にはテコンドー用のマットが敷かれている。専用シューズがないカバディでは、レスリング用のシューズを履く選手が多い。そして、ウォーミングアップしている選手をみると……速い。日本代表は、当然のように速いのだ。
「得点をするためにはステップで相手をかわし、逆に、得点を防ぐためにはタックルで相手の動きを封じなければいけません。試行錯誤の末、基本練習にはラグビーの練習などを取り入れています」(河合事務局長)

宙を浮く体、視界に現れる天井

 日本代表の練習に挑戦する編集部の代表は、体験取材のスペシャリスト、モリナガ部員とオシバ部員だ。これまで数々の競技をこなしてきた両雄は、この日も絶好調。「カバディ、カバディ、カバディ……」、発声の準備も整った。
 この日の強化練習はコートの半分を使い、レイド、アンティを繰り返す実戦を想定した内容。男子日本代表の高野一裕主将にレイドの基本を聞いてみた。

「攻撃では、いつでも自陣に戻れるように半身になりながら、守備側全体に目を配ります。『カバディを言う』ことに気を取られ過ぎると動きがぎこちなくなりますから『カバディ』の発声は自然に。コートのすぐ近くにいる審判に聞こえれば良いので、音量を抑えてつぶやくように連呼するのがコツです」

 しかし、だけど、どうして!? 見るとやるとでは……。


男女ともメダル獲得も

 日本男子は1990年の北京アジア大会でカバディが正式競技として採用されて以来、6大会連続で出場、アジア大会での挑戦を続けてきた。4位が3回、5位が2回と、惜しくもメダルを逃していたが、前回大会の2010年広州大会では、ついに銅メダルを獲得。一方、女子も2年前に初めて開催された2012年女子カバディW杯で銅メダルを獲得しており、男女とも今大会のメダル獲得への期待は大きい。

「男子は百万人単位の競技人口をほこるインドを頂点に、イラン、パキスタン、バングラデシュ、韓国が強い。女子はパキスタン、タイが強国。しかし、日本も男女ともメダル圏内にいます。世界を見てもカバディの強国はみんなアジアの国々。カバディの場合、アジア大会のナンバー1が実質、世界一でもあるわけです」(河合事務局長)

カバディ男女日本代表の選手たち 【スポーツナビDo】

 アジア一という世界一への挑戦。日本男子の初戦は28日に韓国と、日本女子は同じく28日にイランと戦う。

(取材・文:スポーツナビ)

2/2ページ

著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

編集部ピックアップ

2024年度ベストナイン賞 受賞選手発表

一般社団法人日本野球機構(NPB)

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント