米メディアの露出は『Wie Win!』 史上初の男女同一コース開催の全米OP
男子はカイマー、女子はウィーが全米制覇
史上初、2週連続同一コースで行われた全米OPを一般紙『USA TODAY』はどう扱ったのか!? 右はウィーの全米女子OP優勝を報じた23日付のスポーツ面トップ、左は全米OPのカイマー優勝を報じた16日付のスポーツ面トップ 【宮下幸恵】
ふたを開けてみれば、男子はマーティン・カイマー(ドイツ)が通算9アンダーで2位に8打差をつけ圧勝。元世界ランキング1位の29歳がドイツ人として初めて全米オープンチャンピオンに名を刻んだ。
一方、女子は男子2位のリッキー・ファウラーと同4位のキーガン・ブラッドリー(ともに米国)からヤーデージブックをもらったというミシェル・ウィー(米国)がただ1人のアンダーパーとなる通算2アンダーでメジャー初戴冠。『生の情報』を生かして特徴的な難グリーンを攻略すると、3パットはゼロ。最終日、終盤の16番でダブルボギーをたたき2位に1打差に詰め寄られるも、17番で起死回生のバーディーパットを沈めるドラマチックな展開は、ゴルフファンの記憶に残る名場面となった。
ウィーは一般紙の総合面トップで写真掲載
中面では男子はカラー、女子はモノクロと男子に軍配が上がったが、カイマーの優勝を淡々と伝える記事の他には、男女同一コース開催により最終日朝にブロンド美人のナタリー・ガルビス(米国)が男子に混ざり練習したとか、17歳のリディア・コ(ニュージーランド)がセルヒオ・ガルシア(スペイン)とハグをしたなどの女子選手の動向が記事になっており、やはりコースに花を添えた女子選手の紙面貢献度は大きい。
肝心の優勝原稿では、「ウィーがLPGAを盛り上げる」という見出しがつき、2位に終わったステーシー・ルイス(米国)の「全米で放映されていて、パインハーストが舞台で、ミシェル・ウィーが勝つなんてこれ以上の場面はない」というコメントや、今季メジャー初戦を制した19歳のレクシー・トンプソン(米国)の「女子ゴルフ界にとって意味がある」という談話を紹介。15戦9勝とアメリカ勢が活躍する今季を「ドリームシーズン」と呼び、「視聴率が上がり、観客数、注目度が上がりそうだ」している。
男高女低の米ゴルフ界でウィーが見せた意地
圧倒的に女子ツアーが人気の日本とは違い『男高女低』の米ツアー。今季はゴルフ専門誌『ゴルフダイジェスト』がアイスホッケー界の往年の名プレーヤー、ウェイン・グレツキの娘で、PGAツアープロのダスティン・ジョンソンの婚約者のモデルを表紙に起用したことで、マイク・ワン米女子ツアー会長がわざわざ「偉大な記録を残した選手がいるのに、ポーズを取るモデルを起用するとは……」とコメントを発表する騒動となったばかりだ。
24歳になったウィーのメジャー制覇は、“負け犬”に見られてきた女子選手の意地の集結にも見える。
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