サッカー×ゴルフ 奇跡の融合! 世界のおもしろスポーツW杯(1)

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最終18番のバーディートライ、今度は慎重に 【スポーツナビDo】

 しかし、最終18番ホールのパー4。2打目でピンまで1mにつけるスーパーショットがついに出た! そして3打目のバーディートライを、今度はインサイドキックで慎重に沈めてガッツポーズ。通算73のイーブンパーでラウンドを終えた。

「こんなに何度も思い切りボールを蹴ることって、サッカーやフットサルでもないことなので、見た目以上にハードなスポーツでした。でも、天然芝の上でボールを蹴れるなんて最高に楽しいですし、ただ思い切り蹴ればいいわけではなくて、ちゃんとコースを攻略するための緻密な戦略も必要となってくる。また、コースを回るテンポもサクサク進んだので、すごく楽しかったです」
 なお、第1回大会の優勝スコアは68で、初挑戦だったオシバ編集部員はこれと5打差。しかも、今回同じ組で回った4名の中で最少スコアでもあった。アレ、これだったら今から猛練習すれば日本代表にもなれるんじゃないの? そう焚きつけてみると、当のオシバ編集部員もまんざらでもない様子だ。しかし、現実とはかくも厳しいものである。今大会の優勝スコアはなんと63! トップ5にも入れず日本代表入りの夢は、はかなくも散ったのでした。

ゴルフもサッカーもWin‐Winの関係に

初心者でもお手軽にできる、それがフットゴルフのいいところ 【スポーツナビDo】

「フットボールゴルフのいいところは、サッカーのように常に激しく動かなくてもよくて、特別なトレーニングをしなくてもすぐにできるところ。また、サッカーが得意な人が有利と思われがちですが、飛距離は5mぐらいしか変わらないですし、スコアの差も開かないんですよ。とりあえず、ボールを蹴ることさえできれば前に飛ぶわけですから、誰でもできるんです。ゴルフだとまずクラブに当てるところから始めないといけないですし、当たってもまっすぐ前に飛ばすのが難しいですから」

 こう説明してくれたのは、日本フットゴルフ協会の松浦新平会長。もともと11人制のサッカーに打ち込んでいた松浦会長だが、4〜5年ほど前からゴルフ場でサッカーボールを蹴ることができたら面白いだろうなぁと、企画を温めていたという。欧米ではすでにフットゴルフが競技として広まっていることを知ると、さっそく日本への導入を計画。昨年末から実現に動き始め、今年4月に第1回大会を開催するという爆速ぶりで、フットゴルフを日本に持ち込んだ。

「高価な道具もそろえなくても大丈夫ですし、初心者でもすぐに楽しめる。先日は65歳の男性が若い子たちといっしょに普通にラウンドしていました」

第2回大会からすでに参加応募が殺到、日本でもきっと人気スポーツになる 【スポーツナビDo】

 お手軽に始められるという点だけでなく、場所を提供してくれるゴルフ場への還元ももちろん、フットゴルフの大きな使命だ。

「08年ごろのリーマンショックを境に、ゴルフ場の動員も年々落ちてきているという話も聞きます。でも、フットゴルフをプレーするためにゴルフ場に来た人が、実際のゴルフにも興味を持ってもらえればうれしいですし、ゴルフをプレーしに来た人がフットゴルフを見て『なんだ、あれ?』と興味を持っていただくようなWin‐Winの関係になりたいですね。フットゴルフの効果でゴルフ自体も盛り上げていくことができればと思っているんです」
 なるほど、実は僕もこの取材で生まれて初めてゴルフ場に来た口だ。今までゴルフなんて『みんなのゴルフ』くらいしかやったことがなかったけど、広大なゴルフ場を歩いているうちに、ちょっと実際のゴルフをやってみたくなったのも確か。同じような気持ちを、今回のフットゴルフ参加者が一人でも持ってくれたら、松浦会長の狙い通りWin‐Winの関係が少しずつ出来上がっていく。

目標は日本でワールドカップ開催!

 そして最大の目標は、この日本でフットゴルフのワールドカップを開催すること、と松浦会長。
「まだ今回を含めて2回しか大会を開催できていませんが、3年以内に全国50カ所でプレーできる場所を作りたい。それと同時にワールドカップの誘致もやっていきたいですね」

 ゴルフとサッカー。欧州で生まれた2大伝統スポーツが、21世紀になって合体するなんて誰が想像しただろう? でも、ジャンルの壁を飛び越えて何でも出来る、ってエビ中も歌っていた。まさにそんな感じだ。奇跡の融合を果たしたニュースポーツに、サッカーファンもゴルフファンもぜひ、ぜひ注目してほしい。

 なお、第3回大会は7月8日(火)に栃木県宇都宮市のケントスゴルフクラブで開催される。大会詳細、エントリーは日本フットゴルフ協会オフィシャルサイト(http://www.jfga.jp/)まで。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

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習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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