新設「世界リレー」で見えた日本チームの課題
バハマ流「おもてなし」で大会成功
バハマは観光に力を入れており、今回の世界リレー招致も観光推進策の一環で政府の肝入りで行われ、選手や関係者には至れり尽くせりのもてなしぶりだった。
また競技場には熱狂的なファンが訪れ、連日、大声援が送られた。日本選手たちはウォームアップエリアでもその応援が聞こえて来たため、「雰囲気にのまれないように、大声援を力に走ろうと思った」と口をそろえた。特に金メダルが期待された男子1600メートルリレーの際には、「ロンドン五輪ぶりの大声援だった」と関係者が口をそろえるほど会場はヒートアップ。そんな盛り上がりもあり、大会は大成功を収めた。
陸上関係者はアジア各国にも期待
以前、ある陸上関係者と話した際に、「短距離はアメリカやジャマイカの選手がほぼ独占している。これでは市場が狭まる一方だ。白人やアジア人選手が活躍すると、陸上人気も出るし活気づく。アジア選手に期待している」と言われたことがある。そういった意味で、今大会では日本や中国、ヨーロッパ諸国が出場したことで大会を活気づけたことは間違いない。
国際陸連は陸上の普及と拡大を目的に今大会を新設したが、種目に関しては模索中で、将来的には種目数の増加や男女混合リレーなども検討している。4x800メートルや4x1500メートルリレーは、4選手をそろえるのが難しい国もあり出場国は自然と限られたが、男女混合やスプリントリレー(日本ではスェーデンリレーとも呼ばれる)などが行われれば、出場チームは増加するかもしれない。
同大会は来年もバハマでの開催が決定しているが、その後の方針はまだ決まっていない。2日間という日程や、コンパクトに運営できる世界大会でもあることから、ダイヤモンドリーグの一部として開催が続くことも予想される。もしそうなると、各国はさらにリレー強化に努めることだろう。
日本が今後、どう他国に向かっていくのか。リオ五輪まであと2年。再び世界の舞台でメダルを獲得する日は来るのか、要注目だ。