体操男子、内村に続く選手は現れたか 課題の種目別では大学生が躍進
種目別は白井、亀山らが有力
平行棒で抜群の安定感を発揮した神本 【榊原嘉徳】
今年も、この標準得点越えを成し遂げ、スペシャリストとして世界選手権代表に名前を連ねる可能性が高いのは、すでに実績のあるゆかの白井、あん馬の亀山耕平(徳洲会体操クラブ)、つり輪の山室、さらに昨年も標準得点まであと一歩だった鉄棒の植松鉱治(コナミ)らだ。
伸び盛りの大学生にも代表入りのチャンス
ゆかでは、昨年度の高校総体チャンピオンで、3回半ひねりもこなす早坂尚人(順天堂大)、あん馬でG難度、F難度の技を入れ込んだ華やかな演技を見せた長谷川智将(日本体育大)、内村と同じ「ヨーII」を跳び、高さと力強さのある跳馬を見せた斉藤優佑(徳洲会体操クラブ)、平行棒では、力強くもなめらかな実施で抜群の安定感を発揮した神本雄也(日本体育大)ら。いずれも、まだ派遣標準得点との開きはあるが、2カ月後の種目別選手権に向けては、挑戦レベルまでDスコア(難度点)を上げ、代表が決まる「種目別最上位+派遣標準得点突破」を狙ってくるだろう。特に伸び盛りの大学生には、その可能性も十分にある。
昨冬から今春にかけて、次の日本代表候補といえる選手の多くがさまざまな国際試合に派遣され、いずれも好結果を出している。それでも、あまりにも層の厚い日本の体操界では、ほとんどの選手が日本代表になることは難しい。その狭き門に全力で挑む選手たちの壮絶な代表争いは、ある意味、世界選手権や五輪よりも熱い。6月8日のNHK杯、7月5〜6日の全日本種目別選手権には、ぜひ注目してほしい。