というわけで、いよいよトレーニングを受けてみた。

　まず最初は準備運動から。３０分近くかけて、ストレッチや体をほぐす運動などを入念に（この時点で結構な運動量になっている）。その後、３つの基本姿勢（スタンス）を学ぶ。１対１（その後１対３）で向かい合ってフットワークを使いながら相手の肩や足、頭を触るタッチゲームを経て、メニューはミット打ちへと移っていった。

　パンチはストレート、上から振り下ろすハンマーパンチを学べるのだが、ここでいよいよ、特に女性の方が今すぐ使える護身術として絶対に学んでおきたい必殺の蹴りを伝授されます。男性の方は心して聞いてください。そう、股間蹴りです！

「実戦はルールがありませんから、当然、護身術でも最初に教えるのは反則技。つまり、相手の急所を知ること。ですので、股間蹴りから教えます」（熊谷代表）

　用意されたミットを目掛けて、バシッ！　ズバン！と重たい蹴りを何発も蹴り込む風香さん。うーむ、さすが元シュートボクサーでもある格闘家。これ、僕がもらったら１週間は立てないな。

　そして、複数人から腕や足をつかまれたりしながらも、とにかく攻撃するトレーニング、首を絞められた場合、後ろから抱きつかれた場合、相手がナイフを持っていた場合のそれぞれの対処法と、より実戦的な護身術を３つ学んだところでタイムアップ。

「すごく面白かったです。４年前に引退してから格闘技の練習はまったくしていなかったので不安でしたが、久しぶりに思い切り動いて気持ちがよかったですね。普通の格闘技だと、自分が強くなるために厳しいトレーニングを何年も続けなければいけないですが、護身術は技術を学べば誰でもできる。自分を守るためだから続けていく意味があると思いますし、私みたいな“か弱い女性”にもぜひおススメですね！」

　風香さんがか弱い女性なのかはさておき、おっしゃるとおり、格闘技経験のない女性にこそ学んでほしいマガジムでのクラヴマガ。また、護身術という面を強調してきたが、ここでは「エネルギーを１００％発散させる」ことも目的としており、これがいいストレス発散にもなるようだ。１コマも６０〜７０分と短く、メリハリを効かせているため、忙しくてジムになかなか通えないという人にもおススメできる。

　それではここで、今回指導していただいたインストラクターの西尾健さん、徳山洋さんに話を聞いてみよう。
「純粋に身を守るために、１つでも技術を知っておくと助かる確率が上がります。１人でも多くの人に危険がないようになってほしいですし、護身をしながら激しい運動もありますので、ストレス発散、ダイエットにも効果抜群です」（西尾さん）

「運動していい汗をかくと、精神的な余裕が生まれると思うんです。会員さんの中でも、そうやって生活が明るくなったという声を聞きます。ぜひ護身目的じゃなくても、いい汗をかこうという感じで気軽に足を運んでいただければ」（徳山さん）

　ちなみにこのクラヴマガ。海外ではアンジェリーナ・ジョリーやジェニファー・ロペス、シャーリーズ・セロン（僕、大好きです）といったハリウッドの大女優、日本では米倉涼子さんも体作りのために学んだという。女性のみなさん、この春はぜひクラヴマガでアンジーのようなしなやかな美ボディを！

（取材・文：森永淳洋／スポーツナビ）

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