さて、いよいよトレーニングの話。“畳１枚でもトレーニングはできる！”という邪道選手の言葉から、家でもできるトレーニングの例を教えてもらった。

　やっぱり基本的なものは腕立て伏せとスクワット。「腕立ては最初１０回もできないかもしれないから、ヒザを立ててやってもいい。体をしっかり安定させること」。そして、何より重要なことが“自分に負けないこと”だ。

「自分で限界を決めてはダメ。この１回がキツくても、そこで止めてしまわないで、さらにもう１回と頑張ってみること。絶対に限界点はまだ先にある。“限界の向こう側”ですよ！　今で言うなら“国立の向こう側”ですね！」

　そうは言っても邪道選手、「もう無理、できない」と心が折れそうになったら？

「そんなときはももクロちゃんを聴くんですよ。オレの場合は、特に『ワニシャン』『モーレツ』『BIONIC CHERRY』を聴いていると力が入るし、この３曲はおススメ。へこたれた時に『BIONIC CHERRY』のれにちゃんの『すごく怒ってるんだよー！』って聴くと、また力が沸いてくるからね（ニヤリ）」

　邪道選手はモノノフ（ももいろクローバーＺのファン）だから、ももクロちゃんの曲だったら何でもパワーが出てくるのでは？というツッコミはさておき、邪道選手いわく、「ももクロの歌は常に前向き。元気が出る」。だからこそ別にモノノフじゃなくても、ももクロちゃんの歌を聴けば自然とパワーがあふれてくるんだ！――そんなメッセージが邪道選手の言葉の裏には隠れている（と勝手に解釈しました）。

　そして確かに、邪道選手オススメの『ワニとシャンプー』『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』『BIONIC CHERRY』はいずれもノリのいいアップテンポの曲。テンションを高めに維持してトレーニングするにはもってこいの曲だ。
　ちなみに、スクワットをするときはもちろん……。
「そりゃあ『労働讃歌』でしょ！　やっぱり足腰をしっかり鍛えないと働けないですよ！　サビで思いっきりスクワットをすれば効果抜群だね！」

　さらに邪道選手は、「家でもできる、もっと効果的なトレーニングがある！」と、こんなことを教えてくれた。

「２リットルのペットボトルに水をいっぱいに入れて、それを２つ持って『Chai Maxx』を踊ることですね！　ババババンのところで腰の運動になるし、サビでは上から下から動くし、もも上げもあるし、クビ相撲の動きもありますからね。これはいい全身運動ですよ！　それに『Chai Maxx』はどんなに疲れていても、ついつい踊りたくなる曲。例え６０分フルタイムで戦ってヘトヘトになって倒れても、『Chai Maxx』を聴いたら立ち上がれると思う。それくらいのパワーを持った曲ですから」

「ももクロにはすべてがある！」と力を込める邪道選手。いきなり２リットルはきついと思うので、まずは５００ミリリットルのペットボトルをサイリウム（ケミカルライト）代わりにして踊った方がいい、とワンポイントアドバイスも付け加えてくれた。

「『ワニシャン』『モーレツ』『BIONIC CHERRY』で腕立てをして、『労働讃歌』でスクワット。仕上げはももクロのライブＤＶＤを見ながらペットボトルを持って踊れば完ぺき。これを続ければきっとオレのような体に近づけるよ」

　最後は邪道選手のトレーニング話というよりも、“じゃーりんのももクロ話”で盛り上がってしまいましたが、マジメな話、「オレは今４５歳なんだけど、“４５歳でも邪道みたいな体になれるんだ”って同年代の人たちに思ってほしい。全然大丈夫。何歳からでもトレーニングはできるんだから」と、邪道選手は同じ４０代の人たちに向けて熱いエールを送ってくれた。

　さあ、この言葉を胸に、そしてももクロちゃんの歌を聴きながら“邪道式ももクロトレ”で憧れのマッチョボディを手に入れよう！

（取材・文：森永淳洋／スポーツナビ）