後半戦に快進撃を見せるニュルンベルク 清武の調子も上向き 心配は長谷部の負傷

敵将もニュルンベルクの残留を確信

ドルトムントには敗れたが、後半戦の清武(右)の調子は上向いている 【Getty Images】

 先週の土曜日も、不運に見舞われはした。ニュルンベルクが作った絶好機は2度だけだったが、30分過ぎのトマシュ・ペクハルトのシュートがポストに嫌われていなければ、番狂わせを起こしていてもおかしくなかった。
 これでシュートがバーをたたいた回数はリーグ最多19度に上っており、ほんの少しの運があったなら、順位表のもっと上にいるかもしれないという証拠になっている。

 1点リードしていてもおかしくなかったが、51分にマッツ・フンメルスにセットプレーから決められると、なぜ昨年の5月にチャンピオンズリーグ(CL)の決勝に進むことができたかをドルトムントに見せつけられた。64分にはロベルト・レヴァンドフスキ、83分にはヘンリク・ムヒタリアンに追加点を奪われ、ドルトムントの3−0での勝利という結果に終わったのだ。

「前半の我々は守備面が非常にオーガナイズされていたとしか言えない。ただFWに良い形でパスを渡すことが一度もできなかった。ドルトムントは非常にキレがあり、コンディションも良く、順調に歩みを続けている。良い試合をしたと、ドルトムントを祝福したい。攻撃面ではほとんど何もさせてもらえなかったのは、ドルトムントのクオリティーがあったからこそだ」

 こう話したファーベークに対して、敵将ユルゲン・クロップはこう確信を口にした。
「ニュルンベルクは十分な勝ち点を手にすることだろう。来シーズンの対戦を楽しみにしている」

清武も確実に調子は上向いてきている

 その来季のチームに、清武弘嗣はいるだろうか。今季開幕前には、アストン・ビラから関心を寄せられていた。だが、この冬には関心を示すクラブはなく、清武の今季はここまで残念なものとなっている。スポーツディレクターのバーダーは昨年12月、「最悪なのは、ひどいパスを出した後の彼のボディーランゲージだ」と話した。「清武は自分に厳しすぎるが、彼はまだ若いんだ。ブンデスリーガでまだ2年目じゃないか」。波があるのは、当然のことだとしている。

 チームのポジティブな流れに、清武も乗ろうとしている。シーズン再開となるホッフェンハイム戦では、アシストを決めて4−0の勝利に貢献した。ブラウンシュヴァイク戦では、同点ゴールを決めて大きな2−1の勝利へと導いた。清武の調子は、確実に上向いてきている。ドルトムント相手に引かざるを得ず、自陣でプレーする場面も多かったが、この昨季CL準優勝チームとの対戦自体が、清武の血肉となっていくはずだ。

 良いニュースと流れが続く中で、気がかりなのは長谷部誠の負傷である。右ヒザに再度メスを入れることとなり、今後数週間は試合を観戦するだけになる。ただし、その間もニュルンベルクは勝ち点を重ね、降格の危機から離れていくことだろう。クロップの言葉は、どんどん実現へと近づいている。

<了>

(翻訳:杉山孝)

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著者プロフィール

フランソワ・デュシャト 1986年生まれ。世界最大級のサッカーサイト「Goal.com」でドイツ語版の編集長を務め、13年からドイツで有数の発行部数を誇る「WAZ」紙のサイト(http://www.derwesten.de/)でドイツ西部のサッカークラブを担当する。過去には音楽の取材もしていた。ツイッターアカウントは@Duchateau。自身のサイトはwww.francoisduchateau.net。 ダビド・ニーンハウス 1978年生まれ。20年以上にわたり、ルール地方のサッカークラブに焦点を当て、ブンデスリーガの取材を続ける。09年からは「WAZ」紙のサイト(http://www.derwesten.de/)で記者を務める。ツイッターアカウントは@ruhrpoet。自身のサイトはwww.david-nienhaus.de。

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