被災地の「今」を走る 自転車で復興支援=ツール・ド・東北
最年少14歳が60キロ完走「復興の様子を見てほしい」
石巻市に隣接する登米市の14歳・太田俊平君。全国のサイクリストには「復興の様子を見てもらえれば」と語った 【スポーツナビ】
「自転車の大会をネットで調べていたら、この『ツール・ド・東北』のことを知りました。これまで自転車の大会というと仙台で開催されるものが多かったので、石巻でこういった復興支援の大会が開催されることになって、すごくうれしい気持ちになりました」
同じ中学の自転車仲間と一緒に応募したが、当選したのは太田君だけ。そのため、ひとりでの参加となったが、家族の応援を受けて正午前には見事に完走した。
「他の参加者の人たちとは『景色がきれいですね』とか話したりしました。すごく楽しかったです。でも、海辺の方は家がなかったですし、復興はまだまだ進んでいないなと感じました。全国から参加された人たちには、石巻や三陸地方の復興の様子とかを見てほしいです」
自分も一生懸命走ることで地元の人たちが元気にしている姿も見てもらえたら、とも語った太田君。本格的な自転車を始めてまだ3年。高校生になる来年は「100キロコースに挑戦したい!」と力強く語った。将来はプロの自転車競技選手になることも夢見ている少年の成長とともに、1年、また1年と、三陸地方も復興の軌跡を描いていくだろう。
まずは10年継続、将来は東北全体でプロレースを
160キロを見事完走した道端カレンさん。“東北”を感じながらの走りだったと振り返った 【スポーツナビ】
白のウェアに身を包んだカレンさんは「160キロには初めて挑戦したんですが、完走できて本当にうれしいです」と大きな笑顔。「震災の跡地となった小学校などを見ると、私にも小学生と幼稚園の子供がいるので3.11のことを思い出して“うっ……”となりましたが、それでも地元の人たちがたくさんの声援をくれて、本当に温かさを感じました」と、“東北”を肌で感じ、さまざまな思いを巡らせながらの160キロ三陸路だったことを振り返った。
好天に恵まれ、主催のヤフー・宮坂学社長(写真右端)と後援の女川町・須田善明町長(左から2人目)も談笑 【スポーツナビ】
さらに、毎年事業収益と寄付金の一部を基金として積み立て、それを自転車関連の社会インフラ整備に活用し、「未来につながる道」を作ることに挑戦していくという。