「食生活は変えられることを伝えたい」 食欲コンサルタント・村山彩

スポーツナビDo

すぐに結果を求めないことが大切

生活習慣を変えるのが難しいという人には、「小さなことから行動に移すことが重要」と語る村山さん 【坂本清】

 村山さんは運動をすることで、日々のストレス解消にもつながっていると言う。

「私の場合は運動が絶対的なストレス解消になります。汗を流すこともストレス解消になりますし、確実に5キロ走りましたという時、その数字は絶対に揺るがない自信になるんですね。自分をちょっと褒めてあげられることをやると、結果、ストレス解消になる気がします。

 ストレスがたまる時って、どこか自分に自信がなかったり、何かしらよくない状況だと感じていたりすると思うんです。そこで運動をすると、確実に現状をいい方に、好きな自分の方にもっていけるから、一番いい解決になると思っています。ただ、必ずしも運動でなくてもいいと思います」
 生活習慣を変えたいと思っても、仕事が忙しい、時間がない、となかなか一歩を踏み出せない人も多いだろう。村山さんは、すぐに結果を求めないことが大切だと語る。

「ダイエットなどは全部、とても時間がかかるものだと認識することが大切だと思います。結果は本気で運動をすれば出ますけれど、普通は1カ月や2カ月では出ないものだと、まずとらえること。だからこそ、小さなことから行動に移すことが重要です。

 例えば、2個選択肢があった場合――おでんの具でもおにぎりの具でもいいですけど、体にいい方を選ぶだけの行為でいいと思うんです。梅とシーチキンのおにぎりがあったら、梅の方を選ぶ。それできちんと自分を認めてあげる。コンビニに行かない、オーガニックフードしか食べない、とかそんなに極端に考えずに。小さな積み重ねが、50歳、60歳になって表れてくると思います。まずはそれほど無理をせず、ハードルを低くして。食事をえさのように食べるとか、おなかを満たすだけに食べるとかといったことをしない。自分の体を大切にする、それだけで差がつくと思います」

 体にいいことの小さな積み重ねを、多くの人に実践してほしい――村山さんは今、その手助けをしていきたいと考えている。

「食と運動は生活の基本ですし、それほどお金をかけずに変えることができると思うんです。かつての自分のように悩んでいる人がいたら、ぜひ一緒に変えていこうと言いたいですね。できない人はいないと思うから、えらそうな話とかではなく、そういう人を1人でも多く増やしたいです」

(取材・文:竹内桃子/スポーツナビ、写真:坂本清)

※「スポーツナビDo」では、3月から月に1回、村山さんによる連載が始まります。体にいい食事のレシピや、食と運動に関する悩み相談などを予定しています。

村山彩
食欲コンサルタント、アスリートフードマイスター、野菜ソムリエ。現役トライアスリートとしての知識と経験を生かし、プロアスリートやアマチュアランナーへ食事指導と運動指導を行っている。そのほか、テレビ、雑誌、ラジオ、イベントを通じてランニングと食事についての幅広い活動を行う。「Adams Campus」(http://adamscampus.com)では講座も持つ。2013年12月に『あなたは半年前に食べたものでできている』(サンマーク出版)を上梓

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著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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