有村智恵、ルーキー優勝への『3つの壁』 =ゴルフ米女子ツアー展望
25歳でようやく解禁した米ツアー挑戦
今季から米女子ツアーに本格参戦する有村。ルーキー優勝なるか、その戦いぶりが注目される 【写真は共同】
長い夏休みを終え、始業式を迎えるドキドキ感を覚えているだろうか? 久々の友との再会を待ちわびつつ、少し緊張もしてしまう…。ベテランもルーキーも、そんな初々しい気持ちになる初戦の開幕が、いよいよ14日に迫った。今年は宮里藍、宮里美香、上田の米ツアー常駐組に加え、昨年末の予選会を突破した有村智恵、上原彩子の実力者が参戦する。にぎやかなメンバーとなる今年の日本勢のなかでも、なんと言っても注目は、ルーキー有村の戦いぶりと、エース・宮里藍の悲願のメジャー取りだろう。
女子ゴルフブームを巻き起こした宮里藍がアメリカへ渡った後の日本ツアーをけん引し、ツアー通算13勝を積み上げた有村。一時はアメリカでスランプに陥った宮里藍を見て、「簡単にアメリカに行きたいなんて口にできない」と米ツアー挑戦を封印してきたが、25歳となった今、ようやく世界への挑戦をスタートさせる。
これまで、スポット参戦した2010年のメジャー「クラフト・ナビスコ選手権」で9位に食い込むと、11年「HSBC女子選手権」では世界ゴルフ殿堂入りを果たしている大御所カリー・ウェブ相手に堂々の優勝争いを演じ1打差の2位。異国の地で世界の強豪に囲まれても実力を発揮しているだけに、どうしてもルーキー優勝が期待されるが――。
語学、環境、精神――越えなければならないもの
さらに、米ツアーでは日本にはない『国内の時差』が待ち受けている。例えば、西海岸から東海岸へ移動する際、6時間の飛行機移動に3時間の時差が加わると、半日がかりの9時間移動に。それほどの長距離移動と毎週のように戦わなければならず、2006年参戦当初は宮里藍もこの軽い時差ぼけに苦しんだものだ。
最後は、『自分を貫けるかどうか』。ほとんどが初めて回るコースとなるルーキーイヤーだが、 ほかの選手の攻め方に惑わされていては、自分を見失うだけ。自分のゴルフを貫けるかどうかも、大きなカギとなる。
歴史が証明するルーキー優勝の難しさ
<了>
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