錦織、マレーらトップ選手が集結=楽天オープンテニス注目選手紹介

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優勝候補の一人に挙げられる錦織 【Getty Images】

 男子テニスの楽天ジャパン・オープンが10月1日から7日まで東京・有明テニスの森で開催される。今大会は全米オープンで初のグランドスラムタイトルを獲得し、この大会の連覇を狙うアンディ・マレー(英国)や日本のエース・錦織圭(日清食品)、世界ランキング6位(9月24日時点)のトマシュ・ベルディヒ(チェコ)、同9位のヤンコ・ティプサレビッチ(セルビア)らトップ選手が集結する。ここでは今大会注目の4選手を紹介する。

錦織、今大会の有力な優勝候補の一人

生年月日:1989年12月29日
身長:178センチ
体重:68キロ

 先のデ杯プレーオフ、イスラエル戦での死闘もまだ記憶に新しいが、状態が悪い中でもしっかりと勝利をデザインして見せるあたりがやはり錦織圭(日清食品)の非凡なゲームセンスというところなのだろう。

 錦織のテニスの良さはフォアの攻撃力やバックの自在性もあるが、やはりそのアイデアの豊富さと、それを試合でマネージメントして勝利に結びつける感覚にある。最近は守備をしっかりと固め、確率高く勝てる土台を作り上げた上で、独特のアイデアあふれるテニスを上乗せして行く形を模索しているようだが、それも彼がより上のステージを目指していればこそ。今や世界のトップ10が射程圏内となり、出る大会ではベスト8以上が当たり前でやっとランキングが上がるというのが彼の立場。相手が「4強」であっても、善戦で満足できる段階は終わり、勝って悔しがるレベルに到達していると言っていい。

 日本男子がこれまで経験したことのない高いレベルでの勝負は、目に見えない苦しみの連続のはず。彼が唯一ホームとして戦える有明では、日本人ファンの温かい歓声で迎えてあげたいところだ。

 今大会でも有力な優勝候補の一人と見ていい。世界中の選手たちが「とてもとても速い」と恐れる、錦織のスピードあふれるテニスを堪能したい。

マレー、「最も完成度の高い」テニスを日本のファンに披露

全米で悲願のグランドスラムタイトルを獲得したマレー、「テニス界で最も完成度の高い選手」と評価される 【Getty Images】

生年月日:1987年5月15日
身長:190センチ
体重:84キロ

 ロンドン五輪では決勝でロジャー・フェデラー(スイス)を倒して金メダルを獲得し、そのままの勢いを維持して先の全米オープン決勝でもノバック・ジョコビッチ(セルビア)を下して優勝したアンディ・マレー(英国)。悲願だった初のグランドスラムタイトルを獲得した。

「彼なら何度でもグランドスラムタイトルを取れる」とフェデラーやラファエル・ナダル(スペイン)、ジョコビッチに評価され続けながらも、なかなか取れずにいたが、今季から就任したかつてのトッププレーヤー、イワン・レンドルコーチとのコンビで、彼に最も欠けているとされたプレー中の自信の意地と、大会を通じたプレーのマネージメントを身につけ、大会の後半に向けて調子を上げて行くというトッププレーヤーならではの堂々としたコートさばきを自分のものにしつつある。

 昨年、決勝でナダルを倒して優勝したこの大会は、彼にとって大きな意味があったようで「あれが大きなキッカケになった」と東京の大会を名指しして語ったこともあるほど思い出深い大会となっているようだ。

 彼のプレーの見どころはなんといっても幅広い展開力と、自由自在なバックハンド、リターンからの攻撃、そしてドロップショットだろう。

 ボールのコースを変えていく能力を生かし、前後左右に展開して自由に打たせずラリーの主導権を握る戦術性の高さや、パワーヒッターにはあえて打たせながら、その攻撃をしのぎ切ることで無効化し、反撃に転じる戦略性。正面からの打ち合いでも負けないパワーと、繊細なタッチのセンスで操るドロップショットの精度の高さなど、「テニス界で最も完成度の高い選手」と評価される彼のプレーの見どころは多い。テニス通は、彼のしのぎ球の質の高さに注目していると、彼の強さの理由がわかるはず。追い込まれてからでも、相手に攻めさせないボールのつくり方におけるマレーのテニスは天下一品だ。

 普段はもの静かで、テレビゲーム好きな普通の英国人青年だが、尊敬する選手に魔術師と呼ばれたファブリス・サントロを挙げてみたり、ジュニア時代に目にしたナダルのプレーを見て衝撃を受け、スペインへのテニス留学を決意するなど、素直で純粋な彼の性格も垣間見えるエピソードが多い。

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