百花繚乱の女子ゴルフ、今季メジャー初戦の栄冠に近いのは?=クラフト・ナビスコ選手権見どころ
大会前日に行われたプロアマ戦でラウンドする宮里藍。今年こそ「鬼門のコース」を克服できるか 【Getty Images】
昨年、まさかの予選落ちで悔し涙を流したのは宮里藍だった。開幕2連勝を飾り、メジャー初制覇への期待とともにモンスターコースに挑んだが、パッティングがことごとくカップを外れ予選2日間で通算7オーバー。「こんだけいいストロークをしているんだから1つぐらい決めさせてよ」。そうつぶやいた父の宮里優さんの祈りも、ゴルフの神様には届かなかった。
4大メジャーで唯一トップ10入りのない鬼門の大会、『まけるな魂』を見せられるか
7度目の挑戦へモチベーションの1つになるのが、3月11日に起こった東日本大震災への支援活動だ。プロゴルファーとして成功を収めているだけに、1人で多額の義援金を出すことはたやすいことかもしれない。しかし、「1人でやるより3人でやったほうが影響力が大きい」と宮里美香、上田桃子に声をかけ、義援金を募るウェブサイトを立ち上げ「まけるな日本」と書かれた缶バッジ作成を提案。帽子につけて支援を呼びかけている。
「プロゴルファーとして勇気を与えられるプレーを届けたい」。鮮やかな思い出に彩られた仙台の街並が大地震の影響で姿を変え、避難所生活を強いられる知人――。胸が張り裂ける思いがする今こそ、『まけるな魂』の見せ所。今季はまだトップ10入りがなく調子は万全とは言えないが、勝負はふたを開けてみるまで分からない。
昨年好成績の有村ら総勢7人が挑戦
昨年初出場で9位と健闘した有村智恵。2月のHSBC女子チャンピオンズでは3日目までトップを走り優勝争いを演じた 【Getty Images】
有村は初出場だった昨年、第3日にイン9ホールで大会記録に並ぶ「ハーフ30」をたたき出すなど健闘し9位。外国勢に混ざっても気後れする事なく、「4日間でこんなにも成長できるものかと思った」と大きな自信を得た。2度目の挑戦となる今年、さらなる上位進出なら被災者へ送るこれ以上明るいニュースはない。その他、米ツアーを戦う宮里美香、上田桃子のほか、昨年日本ツアー賞金ランク4位の馬場ゆかり、不動裕理、大山志保の7選手が出場。彼女たちの戦いぶりも注目だ。
順当な仕上がりを見せるツェン、申ら
優勝トロフィーを手にしたいと願う気持ちに国籍は関係ない。モンスターコースを制し、恒例のウイニングダイブで豪快な水しぶきを上げる権利を手にするのはたった1人だけ・・・。実力がきっ抗する百花繚乱の女子ゴルフだからこそ、今年の戦いはよりいっそう熱を帯びそうだ。
<了>
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