『世界の壁は高かった』 石川遼、米デビュー戦は予選落ち=男子ゴルフ
予選落ちの結果を、「これが実力」と冷静に受け止めた石川 【Photo:YUTAKA/アフロスポーツ】
「素直に言えば4日間プレーしたかった。このプレーをしたら予選落ちという感触はなく、悪い内容ではなかったのにカットラインに届かない。これが実力と受け止めてます」
世界最高峰の米男子ツアー、「ノーザントラスト・オープン」(米カリフォルニア州、リビエラCC、7298ヤード、パー71)に初挑戦し、通算2オーバーの99位。予選カットラインに3打及ばなかった。
ほどよい脱力感で巻き返しを狙った2日目
序盤は小さくうねる難グリーンを前に、我慢のゴルフを強いられる。16番(パー3)でグリーン左ラフからの第2打を寄せ切れず、ボギーが先行。重苦しい空気のなか、後半に向かうと、リーダーズボードに記されていた予選カットラインは通算1アンダーだった。通算3オーバーの石川とは4打差。「まだいける」。そう自らを鼓舞したが、5番(パー4)でピン上50センチのパーパットがカップに蹴られボギー。予選落ちの言葉が頭をよぎるが、逆にこれが起爆剤になった。
予想を超える世界トップレベルの争い
試合前、父の勝美さんは、米ツアーデビューを「調整」と位置づけていた。昨年12月の最終戦から約2カ月に渡り試合から遠ざかっており、実質これが今季初戦。試合勘がなくては世界最高峰の舞台で勝負はできない、と。さらに、米国特有の芝目の強いポアナ芝は初体験。難グリーンに手こずり、2日目にはパターを変えるなど試行錯誤を繰り返した。大会前「2日間で通算イーブンパーで回れたら満足」と目標スコアを挙げていたが、予想スコアですら予選カットラインには届かなかった。トッププロがしのぎを削る米ツアー。そこは、17歳の予想を超えるレベルにあるのだ。
悔しさの一方で、つかんだ収穫
攻めのゴルフに欠かせないドライバーショットでは、大きな手応えをつかんだ 【Photo:YUTAKA/アフロスポーツ】
今後は3月の米ツアー2試合に推薦出場し、4月には夢の「マスターズ」出場が待っている。石川は「3月にもチャンスが待っているので、(この経験を)プラスに変えていけるように頑張りたい」とレベルアップを誓った。
思えば、世界ランク1位に君臨する王者、タイガー・ウッズ(米国)のデビュー戦もこの大会だった。1992年、ウッズは通算5オーバーでカットラインには6打も及ばず、予選落ちした。スコアだけを見れば、石川に軍配か!?
「リョウのほうがいいキャリアを残すかもよ」
なんて米ツアー関係者の冗談交じりのリップサービスが現実になる日が来るのか。石川遼の世界挑戦は、ここから始まったのだ。
<了>
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